階段画を通して反復と認識の変化を探る個展

東京のみんなのギャラリーで吉岡雅哉による個展「階段」が2026年5月28日から5月31日まで開催される。本展では吉岡が自身のアトリエ内に自ら設えた階段をモチーフとして制作した一群の絵画を展示する。2026年初頭に短期間で集中的に制作された作品群は、すべて同一の階段を描きながらも、構図や距離感、光の差異によって異なる画面として成立している。adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-1

反復によって形成される吉岡雅哉の絵画制作

吉岡はこれまで、特定のモチーフを継続的に描く制作を行ってきた。宮大工の家系に生まれ育った吉岡は、反復によって技術を習得する環境の中で、名画の模写を通じて絵画を学んだ。その制作姿勢は現在の作品にも引き継がれており、同様の構図や主題を繰り返し扱うことが特徴となっている。代表的なモチーフのひとつに、2000年代半ば頃から継続して描いている「コンビニ」がある。地方に点在するコンビニを描いた風景画のシリーズは、長年の蓄積を経て、2025年に「コンビニ画五十六景」としてまとめられた。

同一モチーフから生まれる異なる認識

吉岡の作品は、特定の出来事や状況を直接的に提示するものではなく、鑑賞者の記憶や経験と結びつくことで、それぞれ異なる解釈を引き出している。今回の階段画においても、反復されるイメージの中で認識の差異が生まれる構造が確認できる。短期間に集中して制作されたことに加え、「階段」というモチーフ自体の特異性は、作家周辺にも影響を及ぼし、関連する制作や展示へと波及している。adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-2

階段画の誕生に焦点を当てた展示空間

本展では、そうした展開以前の段階へ立ち返り、階段画が立ち上がる初期のプロセスに焦点を当てる。短期間に反復制作された作品群を一つの空間に提示することで、反復によって生まれる差異や、蓄積による変化を体感できる構成となっている。adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-4adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-5adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-6adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-7

吉岡雅哉 プロフィール

1981年兵庫県神戸市生まれ。宮大工の家に生まれ育ち、伝統的な職人技術を習得し独立する一方、幼少期より西洋絵画を独学で学ぶ。現代性と民俗性が交差する地方風景を、多様な絵画様式によって描いている。主な受賞歴に、トーキョーワンダーウォールアワード(2008年)、とよた美術展ʼ07審査員アワード(2007年)、シェル美術賞 蔵屋美香審査員奨励アワード(2006年)、「交換する種 Vol.2」アドバイザーアワード(2006年)など。adf-web-magazine-masaya-yoshioka-staircase-3

吉岡雅哉 個展「階段」開催概要

会期2026年5月28日(木)から5月31日(日)まで
会場みんなのギャラリー
URLhttps://tinyurl.com/5fu9fn26