「遺伝子」をテーマにした作品で日本人初の世界一を達成

国際写真大会「World Photographic Cup(WPC)2026」において、日本代表フォトグラファーの川上和俊がCommercial部門で金メダルを受賞した。WPCでの金メダル獲得は、日本人フォトグラファーとして初の快挙となる。World Photographic Cupは、2013年に全米プロ写真家協会(PPA)とヨーロッパプロフォト連合(FEP)の主導で創設された、プロ写真業界初の国別対抗型コンテスト。世界各国の代表フォトグラファーがチームを組み、10部門で写真表現の完成度を競う“写真の世界大会”として知られている。

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World Photographic Cup 2026において金メダルを受賞した、「遺伝子」をテーマにしたビジュアル作品。

2026年大会はアイスランドで開催され、川上和俊は日本代表「2026 Team Japan」の一員としてCommercial部門およびIllustrative / Digital Arts部門に出場。Commercial部門で世界第1位となるゴールドメダルを獲得した。

「遺伝子」をテーマに生命の連続性を表現

受賞作は、「遺伝子」をテーマに卵をモチーフとして制作されたビジュアル作品。殻の割れた形状そのものが親鳥の姿を形成する構造となっており、「受け継がれる形」や「存在の連続性」を表現している。川上は、「単なる誕生の瞬間ではなく、“すでに内包されている未来”としての生命を視覚化した」とコメント。卵のサイズや配置、形状バランスにも細やかな配慮を施し、自然界に存在する秩序やつながりを繊細に描き出している。作品制作では実在するモチーフをベースに、Photoshopによるデジタル技術を活用。現実と非現実が交錯する独自の世界観によって高い評価を獲得した。

デジタル表現の可能性を世界へ発信

川上は今後について、「写真という枠にとどまらない表現の可能性、特にデジタル技術を活用した新しいビジュアル表現の価値を届けていきたい」と語る。また、「Photoshopで作品制作に取り組むクリエイターにとって、挑戦への一歩を後押しする存在になれれば」とコメントしている。現在は作品制作と並行し、株式会社micia luxury専属レタッチャーとして「プレミアムフォトアート」の制作にも携わる。世界レベルのレタッチ技術によって写真をアート作品へ昇華させる手法は、AI加工にはない独自の質感と完成度で注目を集めている。受賞作品は、2026年6月16日から6月17日までパシフィコ横浜で開催される「PHOTONEXT2026」で展示予定。World Photographic Cupの表彰式も同会場で行われる。

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World Photographic Cup 2026のIllustrative / Digital Arts部門に出品した作品

World Photographic Cup

World Photographic Cup(WPC)は、世界各国の代表フォトグラファーが参加する国別対抗型の国際写真大会。現在はアジアプロフォト連合(UAPP)やオセアニア連合も参加し、写真技術と表現力を競う世界規模の大会へ発展している。競技はCommercial、Illustrative / Digital Arts、Wedding、Nature、Sportsなど10部門で構成され、各国は部門ごとに3作品、合計30作品を出品。国別の総合得点によって順位が決定される。

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World Photographic Cup 2023 Commercial部門 で第二位(銀メダル)を受賞した作品

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World Photographic Cup 2022 Commercial で第二位(銀メダル)を受賞した作品

川上和俊 プロフィール

1970年兵庫県生まれ。Photoshopを駆使し、現実と非現実の境界を描く作品を中心に制作。記憶や感情に訴えかける独自のビジュアル表現で国内外から高い評価を受けている。2015年には東日本大震災の被災写真修復ボランティアに参加。2017年にはWorld Photographic Cupデジタルアート部門で日本人初のTOP10入りを果たし、2023年からは国際フォトアワード審査員を務める。近年はCosmos Awards、AsiaWPA Photo Competition、European Photography Awards、MUSE Photography Awardsなど数々の国際アワードで最優秀アワードを受賞している。