ブラジルサンパウロのトロピカルコーストを一望
Brisa HouseはFCstudioが手掛けた現代的なデザインと自然との調和を追求した住宅プロジェクトであり、垂直構造と広大な窓が採用され、住む人が大海や周囲の自然を存分に享受できる設計になっている。バルコニーを活用して自然との一体感を高めるとともに、開放感のある視覚的な体験が可能なこの住宅は、居住空間の新しいあり方を提案し、デザインと機能性、持続可能性を融合している。建築素材には耐久性の高い自然石や塩害に強い素材を採用し、美観とメンテナンスのしやすさを両立させている。
設計の特徴
Brisa Houseのインテリアには象徴ともいえる「Equilíbrio」や「Libélula」などのテーブルが配置されている。これらの家具は空間に独自の個性を与え、自然との調和を意識したデザインが特徴である。特に「Equilíbrio」テーブルは片持ち構造を採用し、彫刻的な美しさと機能性を両立させている。また、キッチンやグルメエリアは実用性とデザイン性を兼ね備えた構造で、住まい手が快適に料理やエンターテインメントを楽しめるよう配慮されている。大きな窓からは海の景色を一望でき、生活の中で自然を感じられる設計が施されている。
照明の革新性
8メートルのテンションキャンバス照明器具は、光の変化が楽しめる革新的なデザイン。時間帯によって色合いが変わり、夕焼けの色を再現するなど、空間に動的なアクセントを加える。この照明は機能性だけでなく、インテリア全体の美観を引き立てる役割も果たしている。
庭と自然のアート
庭にはブラジルの著名なアーティスト、Hugo Françaによる作品「Awapé」が配置されている。有機的な形状を持つこの作品は庭の自然環境に溶け込み、周囲の植生と調和している。基部にはコルテン鋼が使用されており、建築全体のデザインとの統一感が際立つ。また、庭全体のデザインは自然との共生を意識したもので、住まい手が日常の中でアートと自然を楽しめる空間を形成している。
ルーフトップ
ルーフトップは住む人が南大西洋の絶景を最大限に楽しめるよう設計されている。座席の配置は風景を遮らないよう工夫され、広がる海を心ゆくまで堪能できる。一部の家具には船のプロペラを再利用したサイドテーブルなど、ユニークな素材が用いられておりデザインと持続可能性が融合している。このスペースはリラクゼーションだけでなく、家族や友人との交流にも適しており、自然の中での豊かな時間を提供している。
FCstudio
設計を手がけたFCstudioは2009年にフラビオ・カストロが設立した建築スタジオ。カストロは20歳で建築設計を始め、バルセロナでの大学院留学を経て帰国後にスタジオを立ち上げた。FCstudioの特徴はプロジェクトごとにカスタマイズされたチーム編成と協働の精神にある。各分野の専門家が連携し、クライアントのニーズに応じた設計を行う体制をとっており、同スタジオが手がけるプロジェクトは機能性と美観、そして持続可能性の三位一体を実現している。Brisa HouseはFCstudioの哲学が体現された作品であり、自然との共生をテーマにした住空間の新たな可能性を示している。