近隣住民のネットワークと交流の場を提供するデザイン・コミュニティの起爆剤
デザイン・ビルド・スタジオ「MARK+VIVI」による初の複合施設プロジェクト「SOKO」はカナダ・ケベック州シャーブルックのダウンタウン、キング・ウエストのすぐ南、移り変わりつつある商業地区に位置している。趣のあるイースタン・タウンシップのマゴグ川とセント・フランシス川の交差点に位置するこの建物は、12,000平方フィート(約1,100平方メートル)の5戸のアパートメントからなり、現在MARK+VIVIの創設者であるデザイナーのマーク・フェケテとヴィヴィアナ・デ・ロエラの住居兼スタジオとなっている。
もともと1914年から1920年にかけて建てられたこの家具倉庫は、現在、この街に新しくやってきた多くの留学生、学者、研究者、若いプロフェッショナルの住居兼コワーキング・カフェとして利用されている。
MARK+VIVIの設計ではサステナビリティを指針としており、本プロジェクトでも、建設廃材を埋立地に送るのではなく解体された100年前の木材の骨組みやオークの床板が、無骨でありながら味わいのある家具やアクセントとして新たな命を吹き込まれた。
近隣の建築遺産の外観と雰囲気を損なわないよう、外壁の赤レンガの多くはそのまま残されている。内部には鉄骨柱と構造用梁が既存の伝統的な重い木材の骨組みを支えるために追加された。仕上げ直された既存のフローリングと新しい「骨」は、古いものを持ち上げるだけでなく、優雅に引き立てている。
解体中にはアンティークが思いがけず発見され、ビル内の居住スペースや商業スペースの設計プロセスに影響を与えた。発見されたのは古い木工道具やオリジナルのヴィンテージの手描き看板で、これらは現在、SOKOの暖かく居心地の良いインダストリアル・インテリアに欠かせない役割を果たしている。
MARK+VIVI
カナダのケベック州シャーブルックを拠点とする学際的なデザイン・ビルド・スタジオ。共同設立者であるマーク・フェケテとビビアナ・デ・ロエラは、カリフォルニア工科大学サンルイスオビスポ校で建築の学位を取得した後、コラボレーションを始めた2人のデザイナーである。