「美と知」と「はじまり」が交差する東京の原点を歩く

小学館が発行する文化・教養誌『サライ』5月号(2025年4月9日発売)は、「東京・上野」を大特集。東京国立博物館や国立科学博物館、動物園などが集積する一大文化エリアとしての顔に加え、地下鉄やカツサンド、モノレールなど“日本初”が数多く生まれた「はじまりの地」としての側面にも光を当てる。美術史家やアーティスト、落語家など多彩な案内人とともに、知られざる上野の魅力をひもといていく。adf-web-magazine-sarai_may-2025-1

第1部

東京国立博物館や国立西洋美術館、国立科学博物館など、東京ドーム11個分におよぶ広大な敷地に点在する文化施設を巡る。中でも1937年に竣工した東京国立博物館本館は「帝冠様式」と呼ばれる威風堂々たる建築が特徴で、美と知の象徴として紹介されている。東京文化会館(設計:前川國男)、旧東京音楽学校奏楽堂、国際子ども図書館など、近代建築を辿るコースも魅力のひとつとなっている。

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上野における「美と知」の象徴的な存在、東京国立博物館 威風堂々とした「帝冠様式」と呼ばれる本館は、昭和12年(1937)に竣工

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国立科学博物館日本館の館内にはステンドグラス作家の小川三知や建築家の伊東忠太がデザインしたステンドグラスが各所に使われている

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前川國男が設計し昭和36年(1961)に竣工した東京文化会館の階段 真っ赤な螺旋が4階分を貫き非日常空間に誘う

第2部

「日本で初めて」が詰まった街・上野の歴史を、アーティストの井上涼がナビゲート。日本初の地下鉄・私鉄・モノレール、さらには駅伝、信号機、エレベーターガール、喫茶店、競輪、そしてカツサンドまで、多岐にわたる“はじまり”を紹介する。

第3部

明治時代から続く上野の洋食文化を落語家・林家つる子とともに歩く。創業明治38年の『ぽん多本家』、そば懐石が味わえる『根津雙柿庵』、和の素材で彩る『キッチンさくらい』、そして開店52周年のバー『EST!』など、多彩な食の名店が登場。西洋文化がいち早く根づいた上野ならではの食文化が今も息づいている様子が描かれている。

紳士も魅せられる甘味パフェ特集

もうひとつの特集は「紳士もすなるパフェ」。フルコースのように変化する層の魅力と、美しさを兼ね備えた甘味としてのパフェに注目する。森岡書店代表・森岡督行が資生堂パーラーの「ストロベリーパフェ」を語るほか、全国の名パフェ、そして新世代パティシエが手がける“いま味わうべきパフェ4傑”を紹介。

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東京『Maison heureux清澄白河』の「金柑・いちご・ほうじ茶のパフェ」シェフパティシエの石内恵さんはスパイス使いがビシッとシャープ 食べれば体がシャキッと躍動するパフェ

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京都『アッサンブラージュ カキモト』の「フューチャーミュージアム」ムースやクリーム、アイス、ソース、クッキー地を重ね、温度や食感のコントラストをつけたパフェ

ウイスキー文化を語る土屋守インタビュー

巻末インタビューには、ウイスキー文化研究所を設立し、国内外で精力的に活動を続ける評論家・土屋守が登場。ウイスキーの楽しみ方から、蒸留酒を取り巻く国際的な潮流、そして今後の展望までを語る。東京・大阪・横浜で開催されるウイスキーフェスティバルや、アジア最大規模の品評会「TWSC」などを通して、日本におけるウイスキー文化の現在地を捉える内容となっている。

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テイスティングをする土屋 東京、大阪、横浜で計3万人を集めるウイスキーフェスティバルや、アジア最大級の蒸留酒の品評会「TWSC」なども手掛け、多忙を極める

『サライ』2025年5月号書籍情報

発売2025年4月9日
価格1000円(税込)
発行小学館
URLhttps://serai.jp/