流行を超えてリブートするオフィス環境
LAAB建築事務所がカナダの大手広告代理店・コセットとその親会社であるプラス・カンパニーの依頼を受け、コロナ禍を経て広まったリモートワーカーをオフィスに呼び戻すという野心的な命題のもと、流行のデザインを超えたオフィス「プラス・カンパニー・キャンパス」を構築した。
レイアウトを新しく考えるにあたり、共通のゴールとして、新しいオフィス環境を上層部の視点ではなく、スタッフの経験や共有された文化を中心にモデル化するという点が共有された。クリエイティブな職業に必要なものを中心に構成され、チームのクリエイティブなフローを強化するために優れた機能性を提供することが推し進められた。
1人用のデスク環境は以前はサイロ化されていたが、新しいレイアウトでは外壁に沿って解放され、チーム間のインフォーマルな行き来を促進し眺望と光へのアクセスを高めた。2席から20席までの幅広いミーティングルームを提案し、静かな会話、集中した仕事、ブレーンストーミングセッション、共同作業など、目まぐるしく変化する作業フェーズに対応可能とした。また、典型的な企業オフィスの外観を打破するためホスピタリティとウェルネスの観点からインスピレーションを得、独特のラウンジの雰囲気を演出するドラマチックでダークなパレットを使った、驚くほど落ち着いた照明計画が提案された。
到着してすぐ目に入るレセプション・デスクは、ミステリアスなダイクロイックとミラーのエンベロープに包まれ、見る人の位置によって変幻自在に変化する色彩を与える、まさにシグネチャー・ピースである。真のブランドスケープとして、プラス・カンパニーの色とりどりのロゴ、包括的な文化、クリエイティブ・サービスのニュアンスをさりげなく表現している。
フロアの南角にあるビストロは社交の場であり、ミーティングの場であり、リラックスしたワークエリアでもある。そこからはビクトリアのダウンタウン、スクエア・ビクトリアの息を呑むような絶景を望む絶好のロケーションを臨むことができる。レコーディング・スタジオは、白からチャコールまで様々な色調のスタジオがあり、(オンエアー中であることを示す)明るく照らされた入り口がある。最後に、受賞歴のあるClub Cossetteオフィスのポップアップ・インスタレーションは、McGillの視覚軸に沿って再配置され、そのカーブした鏡は、街の運動的な動dきを拡大し、背景にあるSilo no5を連想させる。
稼働率予測で複数の職場復帰シナリオをモデル化したにもかかわらず、結果としてスタッフが大挙してオフィスに戻り、出勤率が急上昇したためビジネスの成果は予想を大きく上回るものとなった。あまりに驚くべき結果に、運営上の主な問題は会議室のオーバーブッキングとビストロパークの座席不足となった。
豊かなプロムナード、視覚的な刺激、目に見える創造的な雰囲気の空間デザインにより、訪問者を酔わせるような魅惑的なオフィスとなった。プラス・カンパニー・キャンパスは、優れたオフィス・デザインが優れたビジネス成果を生み出し、オフィス回帰のトレンドを覆すことができることを証明している。
LAAB建築事務所
クリエイティブ・リーダーであるミシェル・ローゾンが2020年に設立。受賞歴のある建築事務所であり、都市およびインテリア建築サービスの再考を提唱し、独創的でインパクトのある不動産ソリューションを提供している。その革新的なストラテジック・デザイン・ツールキットは、建築環境に適用される戦略的コンサルティング、建築デザイン、創造的思考を組み合わせたものである。このユニークなサービスでは、俊敏な問題解決設計プロセスを活用し、最も困難な不動産課題を克服し、あらゆるプロジェクトの潜在能力を引き出している。