女性像を女性が描くという行為を通して「観る」ことそのものの輪郭を問う
MEDEL GALLERY SHUで上村江里、Lea Embeli、倉敷安耶、龍羽均によるグループ展「観の輪郭 – The Self and the Other」が 2025年9月12日から9月24日まで開催される。キュレーターは龍羽均。本展はジェンダーにまつわる固定概念の再認識という枠を超え、視覚芸術における「観る」という行為そのものを問い直す試みである。アーティストたちは「親密さの多様」「AI技術」「絵画における女性像」「女性の髪」など、各々の経験を起点とした視点から作品を構築しており、それらは鑑賞者に女性へのステレオタイプに対する再考を促す。
女性の眼差しによって描かれる女性像は、男性視点が支配的だった美術史における既存のイメージに対して鋭く切り込み、性別にとらわれず、その人自身を見るという行為へと視点を導いていく。
「観る」という行為は単に対象を視覚で捉えることではない。それは、世界と自己のあいだに橋を架け、境界をなぞり、時にその輪郭を溶かしていく深い営みである。本展では、その源泉とも言える「観」に立ち返る試みであり、言語に先立つ経験、あるいは既存の権力構造や価値判断を越えて生まれる感覚の動きを探るものである。そこから新たな視座が芽吹き、やがて思想や関係性の輪郭が形づくられる。出展する4人の作家は、それぞれ異なる「観」から出発する。
また、本展における「女性像」は女性アーティスト自身の眼差しから描かれるもの。長きにわたる美術史のなかで女性像の多くは男性視点によって形づくられてきたが、その結果女性は語る主体ではなく、見られる客体として固定されてきた。ここでのジェンダーは属性ではなく、視点を変容させる「呼吸」であり、境界を往復しながら曖昧さと重なりのなかで真実を探るための羅針盤である。「観の輪郭」とは、他者の中に自己を見出し、自己の中に他者を見出す揺らぎの軌跡である。観ることは共感や連帯を育むと同時に、偏見や距離を再生産する危うさも孕む。その危うさを引き受け、視線の権力構造を編み替えていく。女性アーティストによる、女性を描く眼差しが提示されている。
アーティストプロフィール
龍羽均
モデルとのあいだに交わされる眼差しや呼吸の往復から、「観る/観られる」という関係の揺らぎを描き、親密さの多様な在り方を可視化する。
Lea Embeli
AI技術と美術史に登場する女性像を交差させることで、規範や偏見を浮かび上がらせ、表象そのものの更新を図る。
倉敷安耶
孤立した身体と他者との距離を主題とし、儀式やケアの行為を通じて断絶を越える関係性を探る。
上村江里
言葉や感情、本能的衝動の源泉に立ち返り、自己との対話を外部との関係構築の基盤として提示する。
公開トークイベント
- 日時: 2025年9月20日(土)14:00~
- テーマ: 「ジェンダーとまなざし ― フェミニズムから考える『観の輪郭』」
- 登壇: Michael W. Schneider × 清水知子 × 出展アーティスト全員
- トークイベント:申込みフォーム
「観の輪郭 – The Self and the Other」開催概要
| 会期 | 2025年9月12日(金)から9月24日(水)まで |
| 会場 | MEDEL GALLERY SHU |
| URL | https://tinyurl.com/yfzjue4z |

日本語
English




