来年は写植機発明100周年
モリサワは今から1年後の2024年7月24日に、創業者森澤信夫による邦文写真植字機(写植機)の発明から100周年を迎える。その歴史を振り返るプロジェクトとして、当時の写植機を一部機能をデジタル化し、現代の技術を融合させた形で再現した。今後も、写植機が残した功績を次の世代に継承するため、発明100周年を記念したさまざまな活動が行われる。
写植機は「光学写真の原理で文字を現して組む」という方法で、従来の活版印刷に代わる新たな印刷技術を体現した機械。モリサワの創業者である森澤信夫が発明し、株式会社写研の創業者である石井茂吉氏と共に1924年に特許を申請した。それからDTPの登場に至るまで、文字印刷技術のスタンダードとして活躍し、日本の出版・広告・デザインの発展に大きく貢献した。
数台のみしか現役で存在しない写植機「MC-6型」
MC-6型は1967年発売の万能型手動写植機で、当時1万台の販売を記録したというロングセラー機。今では数台のみしか現役で存在しないこの写植機を、当時の形状を生かしつつ、一部の機能をデジタル化して再現。「現像」の工程を踏むことなく、備え付けのモニター上で文字の版下を確認することができるため、写植機の仕組みを理解しながら植字を模擬体験することができる。こちらはモリサワの展示ゾーン(ショールーム・大阪)にて公開されている。見学を希望する場合は申し込みフォームから申し込みが必要。東京での公開の予定はあるが日程はまだ未定。
阪神甲子園球場「100周年アニバーサリー企業」
また、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場も写植機の発明と同年の1924年に開場した。モリサワも同じく関西が発祥であることから、阪神甲子園球場の「100周年アニバーサリー企業」に協賛、記念特設サイトにて紹介されている。