「制御」と「崩壊」の間の緊張関係を探求した作品が大賞を受賞

ロエベが「LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2026」の大賞と特別賞の受賞者を発表した。本プライズはデザイン、建築、批評、ミュージアム・キュレーションなど各界の第一線で活躍する審査員により、30名のファイナリストの中から選出された。ファイナリストは全体で133の国と地域から寄せられた5,100点を超える作品の中から選出されており、20の国と地域を代表し陶芸、木工、テキスタイル、家具、製本、ガラス、金属、ジュエリー、漆など多岐にわたる。

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ジョンジン・パク《Strata of Illusion》(2025)

審査員には、本プライズ2025の大賞受賞者である青木邦眞、ミンスク・チョ(建築家、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 金獅子賞受賞者(2014)、フリーダ・エスコベド(エッセイスト、建築家)、深澤直人(デザイナー、日本民芸館(東京)館長)ら、デザイン、建築、批評、ミュージアム・キュレーションなど各界の第一線で活躍する審査員13名が名を連ねている。

受賞者

大賞:ジョンジン・パク(韓国/韓国・ソウル在住)
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ジョンジン・パク(1982年生、韓国)

1982年生まれ。陶芸家であり、ソウルのソウル女子大学校助教授。イギリス・カーディフのカーディフ・メトロポリタン大学で陶芸の修士号を取得し、ソウルの国民大学で陶芸の学士、修士、博士号を取得した。クラフトの専門分野とコレクティブルデザインの概念的アプローチを融合させた制作活動をしている。マイアミのデザイン・マイアミ、ロンドンのPADロンドン・アート+デザイン展、シンガポールのEMERGEシンガポール展、ロンドンのコレクト展など、国際的な展示会に出展。近年のラグジュアリーブランドとのコラボレーションは、伝統的なものづくりとデザイン文化、そしてテクノロジーの融合に寄せる関心を反映している。2024年には、ヨジュで開催された京畿陶磁ビエンナーレで優秀賞を受賞。

特別賞:ババ・ツリー・マスター・ウィーバーズ(メアリー・アナバ、チャリティー・アベアマ・アトゥア、クリスティアナ・アナバ・アコルポカ、アサキロロ・アドゥコ、メアリー・アインボグラ、テニ・アイネ、スボロ・アイネ、プンカ・ジョー) × アルバロ・カタラン・デ・オコン(ガーナ/スペイン)
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ババ・ツリー・マスター・ウィーバーズ(メアリー・アナバ、チャリティー・アベアマ・アトゥア、クリスティアナ・アナバ・アコルポカ、アサキロロ・アドゥコ、メアリー・アインボグラ、テニ・アイネ、スボロ・アイネ、プンカ・ジョー) × アルバロ・カタラン・デ・オコン(ガーナ/1975年生、スペイン)

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《Frafra Tapestry》(2024)

1975年生まれ。アルバロ・カタラン・デ・オコンは、ミラノのヨーロッパデザイン学院とロンドンのセントラル・セント・マーチンズでプロダクトデザインを学んだスペインのデザイナー。2004年にスタジオを設立し(当初はバルセロナ、後にマドリードへ移転)、独自の作品を制作する傍ら、外部のデザインブランドとのコラボレーションも手がけている。作品は、パリのポンピドゥー・センター、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館、香港西九龍文化地区のM+美術館、ウィーンのMAKデザインラボなどのパブリックコレクションに収蔵。持続可能なデザインへの貢献が認められ、2023年にスペイン科学イノベーション省の国家デザイン賞を受賞した。LOEWE FOUNDATION Craft Prizeの応募作品は、ガーナ上東州の遠隔地にあるボルガタンガという町で250人以上が集う職人コミュニティ「ババ・ツリー・マスター・ウィーバーズ」と共同制作したもの。

特別賞:グラツィアーノ・ビジンティン(イタリア/イタリア・パドヴァ在住)
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グラツィアーノ・ビジンティン(1954年生、イタリア)

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《Collier》(2025)

1954年生まれ。パドヴァ出身のジュエリーアーティスト。パドヴァのピエトロ・セルヴァティコ・アート・インスティテュートで学び、1976年から2019年まで同校で教鞭をとった。主に金、エナメル、ニエロを素材にしたジュエリーは、東京の第5回東京トリエンナーレ国際ジュエリーアート賞(1983)、ミュンヘンの国際手工芸品見本市「Schmuckszene 88」のヘルベルト・ホフマン賞(1988)、ハンブルクの「ART + DESIGN」展での受賞(1988)のほか、最近は東京での第57回日本七宝作家協会展(2024)での入賞など、多くの賞を得ている。最近では2025年にオランダ・ナイメーヘンのギャラリー・マルゼーで作品を展示した。

LOEWE FOUNDATION Craft Prize

1988年にロエベ創業家の4代目であるエンリケ・ロエベによって、民間の文化財団として設立されたLOEWE FOUNDATIONが、現代クラフトにおける革新性、卓越性、芸術的価値を紹介し、称えることを目的として、年に一度の国際コンペであるLOEWE FOUNDATION Craft Prizeを2016年に創設。1846年にロエベがクラフトの協働的な工房としてスタートしたことに端を発するこの賞は、ファッションとカルチャーの密接な関係と、高度で専門的な知識の重要性を反映している。18歳以上のプロとして活動する職人であればだれでも応募可能。また、本プライズにノミネートされたアーティストの作品はデジタルプラットフォーム「The Room」で閲覧できる。