半世紀を経てなお「青春」を生きる

建築家・安藤忠雄の集大成「安藤忠雄展|青春」が、グラングリーン大阪内「VS.」で2025年3月20日(木)から7月21日(月)まで開催される。大阪から世界へ広がる壮大な挑戦の軌跡から、進行中の現在、未来への果てなきビジョンまで。その全てを一望できる展示となる。

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Photo Kazumi Kurigami

大阪に生まれ独学で建築を学んだ安藤忠雄は、1969年より建築設計活動をスタート。以来、既成概念を打ち破る斬新な建築作品を次々と世に送り出してきた。90年代以降はその活躍の舞台を世界に広げる一方で、環境再生や震災復興といった社会貢献事業にも尽力。建築家の枠組みに留まらない、その多分野にわたる旺盛な活動は国内外で高く評価されている。

会場は「挑戦の軌跡」と「安藤忠雄の現在」の大きく2つのゾーンに分かれ、前者では住宅から祈りの空間・美術館などの文化施設に至る過去の安藤の代表作の全てを、後者では文字通り安藤の現在の仕事を、「直島の一連のプロジェクト」のような長期スパンの作品から「ブルス・ドゥ・コメルス」に代表される歴史的建造物の再生プロジェクト、「こども本の森」のような社会貢献プロジェクトまで紹介。半世紀もの間、第一線で走り続け、今なお「青春」を生きる、闘う建築家からの人生のメッセージとなっている。

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真駒内滝野霊園頭大仏 Photo by Shigeo Ogawa

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水の教会 Photo by Yoshio Shiratori

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ベネッセハウス ミュージアム + オーバル Photo by Mitsuo Matsuoka

安藤忠雄

1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、1969年安藤忠雄建築研究所設立。1979年「住吉の長屋」で日本建築学会賞。以来、95年プリツカー賞、05年国際建築家連合 (UIA) ゴールドメダル、10年文化勲章、 15年イタリアの星勲章グランデ・ウフィチャーレ章、21年フランスレジオン・ドヌール勲章コマンドゥールなど受賞多数。イエール、コロンビア、ハーバード大学の客員教授歴任。97年から東京大学教授、現在、名誉教授。

本展の見どころ

天井高15mの没入映像空間

安藤の代表作を巡る迫力の映像空間でヴァーチャル体験の限界に挑む。

伝説の空間をそのままに再現

初期代表作「水の教会」を、会場内に原寸サイズで再現――五感で体験する建築作品展。

直島の37年越しの物語を体感

安藤とともに歩んだ直島の37年の軌跡を模型と映像音楽のインスタレーションで魅せる。

「安藤忠雄展|青春」開催概要

会期2025年3月20日(木)~7月21日(月)
時間10:00~18:00(金・土・祝前日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
会場VS.(グラングリーン大阪内)
休館日毎週月曜日(月祝の場合は営業)
URLhttps://tinyurl.com/bkadbdpz