COP26のバーチャルパビリオンにて、サステナブルな未来に向け環境問題に取り組む建造環境を紹介

都市や環境への負荷を最小限に抑え、地球環境の危機に対抗する建造物を紹介するバーチャルパビリオン「Build Better Now」が、このたび一般公開された。約120カ国の首脳が英グラスゴーに集結し、世界の注目が集まるCOP26の開催期間中(2021年10月31日から11月12日)、世界中からより多くのアクセスを募るため無料で公開している。

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Build Better Now, the COP26 Built Environment Virtual Pavilion, Photo credit: AECOM

AECOMInstall Archiveのコラボレーションによりデザインされたバーチャルパビリオンは、木々に囲まれたドーム型の展示スペースに17の厳選されたサステナブルな建築プロジェクトを展示。自然の中を移動できる遊歩道が設置され、国際的な公開オーディションによって選ばれた環境意識の高い作品を鑑賞することができる。循環型社会と自然の復元をハイライトした3Dインスタレーションと映像は、Make ArchitectsがCOP26のために手掛けたものである。

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Build Better Now, the COP26 Built Environment Virtual Pavilion, Photo credit: AECOM

展示とあわせて、ツアーやキーノートトーク、パネルディスカッションなどのイベントが展開され、ダウンロード可能なコンテンツも用意されている。すべて、建造環境を取り巻く産業や社会に、これまでにない規模で刺激を与え、啓蒙していく狙いがある。

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The Fountain of Circular Recovery (Year: 2030), Photo credit: Make Architects

建造環境は、低炭素経済のネットゼロ達成への移行において中心的な役割を担っている。世界のエネルギーの3分の1は建造物が消費しており、エネルギー関連の炭素排出量の40%は建造物に起因している。本パビリオンは、気候変動への行動をグローバル規模で喚起するためのものであり、建造環境業界の100以上のパートナー組織の協力のもと構築されている。

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Build Better Now - Monash Woodside, Australia, Photo credit: Michael Kai

2021年の6月にローンチされた公開オーディションにて、厳正かつ透明性の高い選考を経て展示プロジェクトが選ばれた。建造環境が抱える複雑なサステナビリティ問題への見識のある業界のリーダーが世界各地から集まり、地球や人々の生活にポジティブな影響を直接及ぼすプロジェクトを厳選した。更に、未来につながる多大な影響を社会に及ぼすことができる、拡張可能で再現可能なプロジェクトであることも審査の条件となった。自然資源の活用、地球温暖化の緩和、気候変動への適応、生物多様性などのテーマを模索しつつ、Building Better Nowは、革新的なソリューションを世界中から集めて展示している。

先駆的なプロジェクト(一例)

  • 世界一の高さを誇る木造建造物(スイス)
  • 南半球最大のパッシブハウス(オーストラリア)
  • 100%再生エネルギーで構築・デジタルマッピングされた100ヘクタールの開発地区(イタリア)
  • 余剰再生可能エネルギーを近隣ビルや電気バスへ供給可能な、世界最大のポジティブ・エネルギー・ビルのオフィス(ノルウェー)
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Build Better Now - Milan Innovation District, Italy, Photo credit: artist impression

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Build Better Now - Powerhouse Brattørkaia, Norway, Photo credit: Ivar Kvaal

ローカルかつ自然な素材を利用したプロジェクト(一例)

  • アシやワラを利用した大学の建物(イギリス)
  • 竹でできた学校(インドネシア)
  • 土を材料に3Dプリンティングで作られた、最先端技術と伝統的素材をコラボさせたサステイナブルな家
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Build Better Now - Heart of School, Bali, Indonesia, Photo credit: PT Bambu

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Build Better Now - TECLA, Photo credit: Iago Corazza

環境を保護・改善するプロジェクト(一例)

  • 国立公園の生態系を回復する政府主導のエコツーリズム(ルワンダ)
  • 森や泥炭地の回復と地域の絶滅種を100エーカーの土地に再導入した事例(スコットランド・ハイランド地方)

Build Better Now - Natural Capital Laboratory, Scotland, UK, Photo credit: Chris Coupland/AECOM

その他(一例)

  • 歴史的な建造物である長屋の修復に関わる政府出資の研究(スコットランド)
  • スラム街の住居、ファヴェーラ(ブラジル)
  • 手ごろな価格のサステイナブル住居(イギリス、ニュージーランド、パキスタン)
  • サステイナブルな大型木造建築マーケットを牽引するさきがけとなる、改造可能なクロス・ラミネーテッド・ティンバーでできた橋のコンセプト(東アフリカ)
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Build Better Now - Niddrie Road, Glasgow, UK John Gilbert Architects, Photo credit: John Gilbert Architects

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Build Better Now - Instituto Favela da Paz, Brazil, Photo credit: Favela da Paz Institute

Build Better Nowについて

Build Better Nowは、英国グリーンビルディング協議会(UKGBC)が事務局となり、100を超えるのパートナー組織によりCOP26の開催に先駆けてローンチされた。世界が直面している気候変動と環境危機を前面に押し出し、世界的な認識を高めることを目指し、COP26の会期中もそれ以降も活動を続けていく。

バーチャルパビリオンは、建造環境と気候変動の関係性を提示することで、その問題を理解し解決策を模索していく。その見本となるようなプロジェクトを、VR空間で展示。ダウンロード可能なコンテンツに加え、キーノートトーク、パネルディスカッションなどのイベントも実施する。また、COP26において建造環境デーに設定された11月11日には、特別なプログラムが実施されると見込まれている。


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