ユニークな天井の特徴が眼科クリニックと眼鏡店の新しいコンセプトを定義

アトリエ・サン設計によるイノベーション・アイクリニックは、カナダ・オンタリオ州キッチナーに完成したばかりのコンドミニアムの1階にある、1,400平方フィートの眼科クリニックとメガネの小売店である。クライアントが最初にこのスペースを受け取ったとき、全体的にさまざまな高さや場所にコンクリートの梁があったが、ある部分は当初の13フィートから8フィート以下に下がっていた。

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General View
Photo credit: Joel Esposito

「梁を隠す計画を立てなければなりませんでしたが、既存の空間の特徴を生かしたデザインとして受け入れました。」と、建築とインテリアのリードデザイナーであり、会社の創設者でもあるアンドリュー・サンは説明する。目先の問題に対処すると同時に、デザイン全体にそれを再現するよう促す、革新的な天井の機能を考え出すこととなる。

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General View of Reception Feature wall
Photo credit: Joel Esposito

アトリエ・サンが考案したソリューションは木製のスラットをさまざまな高さで吊り下げ、すっきりとした直線でつないだアーティスティックな天井の機能という形であった。この構造体の透明感が上部の真っ白な天井と暖かいコントラストをなしていることを認識し、他の店舗に見られる従来のダウンライトの代わりに、木製スラット自体に埋め込まれたカスタムデザインの照明が見事にデザインされている。埋め込まれた照明の位置と明るさは、光と木の色調の微妙で洗練された相互作用を生み出し、心地よいバランスと調和の感覚を生み出している。

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View of displays
Photo credit: Joel Esposito

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Display besides Hiden door leads to clinic area
Photo credit: Joel Esposito

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Detail of Lighting feature
Photo credit: Joel Esposito

エントリーエリアの奥には、有機的な温もりを感じさせるナチュラルなウッド調のフィーチャーウォールがデザインされ、このウッド調の壁に囲まれるように受付カウンターが設置され、ショップスペースとクリニックの裏側のオペレーションをつなぐ役割を担っている。白と木のコントラストは、重層的な感覚をもたらし、白い箱から一歩外に出て別の木の箱に入ったかのような錯覚を起こさせる。店舗スペースの壁面に並ぶ木目調のディスプレイは店舗のデザイン美を完璧に引き立て、柔らかくカスタマイズされた照明が商品に暖かい光を投げかけ、ディスプレイされたアイウェアを引き立てる。店舗スペースの先には、クライアントの為の臨床施設があり、暖かく、落ち着きのある機能的な環境となっており、全体のデザインに貢献している。

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Display lighting
Photo credit: Joel Esposito

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View of reception
Photo credit: Joel Esposito

ユニークな木製の天井の特徴から木製の背景パネルやアイウェアのディスプレイまで、各要素は慎重に作られ、機能性と視覚的な美しさを併せ持つ空間を作り上げるためにキュレーションされている。アイウェアの美しさと店内の居心地の良さ、魅力的な雰囲気に浸ることができる刺激的で魅惑的な空間となった。

アトリエ・サンについて

アトリエ・サンは2020年にアンドリュー・サンによって設立。トロントに位置し、建築とインテリアデザインに特化した複合的なデザインスタジオである。すべてのプロジェクトは地域の文化、機能性、美学と強く結びついた空間の本質的な意味を発見することを目的とし、アトリエ・サンのデザインは、新たな可能性とこれ以上付け加えることも取り去ることもないバランスポイントを求めて、骨格を削り取るように作られている。コンセプト、空間体験、素材、照明に強いこだわりを持ち、ホスピタリティ、リテール、住宅、ヘルスケアなど、さまざまなタイプのポートフォリオに取り組んでいる。


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