メルクセムとドゥルンを結ぶテウニス橋が建築マスタープライズを受賞

建築界を代表するアメリカの国際的な建築アワード、アーキテクチャー・マスタープライズにて建築スタジオZJAがアルカディス、スウェコ社、OKRA・ランドスケープ・アーキテクツと共同で設計したアルベルト運河にかかる新しいテウニス橋が、インフラストラクチャー部門でアワードを受賞した。

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Photo credit: ZJA

3つのパーツからなる鉄橋は高さが増し、まるで大きな通りのように自転車や車、路面電車を快適かつ安全に向こう側へ運ぶ。ダークな色調の柱、開放感のある白い塔、細部にまでこだわったディテールがアントワープの都市景観の中でひときわ存在感を放っている。

アルベルト運河に架かるエレガントなアイキャッチャー

テウニス橋は2つの交通橋と中央のトラム橋の3つの鉄橋が並んだ構造で、橋の間は日照が確保されている。この橋は暗い下部構造と白く開放的な上部構造が印象的である。

テウニス橋がこのような栄誉あるアワードを受賞したことを大変誇りに思います。橋の塔や港のクレーンを連想させる柱の上に、V字型に上向きに折れ曲がった構造体が特徴的な存在感を放っています。V字のシルエットは左右非対称で、ダイナミックな印象を与えます。橋の外側には広い自転車道と歩道がバルコニーのように垂れ下がり、サイクリストや歩行者にアルバート運河とその周辺の最高の眺めを提供し、また、橋の下の空間はより魅力的で快適なものになっています。

ラルフ・キフト 建築家、ZJA社パートナー

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Photo credit: ZJA

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Photo credit: Eric Muller, Schreder

橋の下での余韻を楽しむ

運河沿いや橋の下の通路は安全で快適な都市空間へと変貌を遂げた。橋の下や脇に木製のシート、グリーン、また良好な照明を導入することでベンチに座って水や行き交う船を楽しむことができる安全で楽しい場所が出現。新しいテウニス橋は船舶だけでなく、利用者や周辺環境にとっても改善されたものとなり、地域のさらなる都市開発や再開発の基調となる、印象的な外観を持つ拠点として機能している。

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Photo credit: ZJA

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Photo credit: Eric Muller, Schreder

アルバート運河の高架化と幅の拡大

新テウニス橋はアルバート運河の対岸をつなぐ魅力的な橋であるだけでなく、橋の高さも増している。年間約4,000万トンの貨物を運ぶアルベール運河はフランダース地方で最も重要な水路である。近年コンテナ輸送の需要が大きく伸びていたが、旧テューニス橋の天井高は低く、運河の幅も狭いことがネックになっていた。新テウニス橋はクリアランスの高さが9.10mになり、運河の幅も63mに拡大された為、コンテナを4段重ねにしても内航船が安全に通行できるようになった。

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Photo credit: ZJA

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Photo credit: Infosteel

ZJAについて

ZJAはエコロジーとヒューマンの両方の観点から、環境の質を向上させることを目的に設計を行っている。それらを可能にし、発見するために、新しい方法と材料を継続的に研究。より良いデザインであればあるほど社会をより豊かにし、新しい機能を環境と絡めながら、より洗練された丁寧なものにしていくことができる。