写真家・畠山直哉の京丹後での自然と物づくりの風景を記録

丗|SEIにおいて、企画展「Taiza, Tango」を2022年12月10日から12月25日まで開催する。今展では写真家・畠山直哉が京都・京丹後を訪れ出会った自然と風景の記録と共に、同地で生み出された生産物を紹介する。地球が見せる光と存在の美を感じ取る自身の心を鏡とし、写真を介して差し出す写真家・畠山直哉の京丹後での自然と物づくりの風景を記録し、展示する展覧会となる。

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畠山直哉「Taiza, Tango (立岩)」2022年

畠山が写真を介して鑑賞者に届ける光景には、自然がもつ豊かさ、更新していく力、常にあたらしさの始まる朝のような力を感じることができる。「Taiza, Tango」展では異なる季節での京丹後の滞在で撮影された新作を初公開。息をのむようなその光景の先には、京丹後の地で生きてきた人々がゆっくりと目の前に見出してきた暮らしの景色とその形が息づいている。この地域は紀元前から中国・朝鮮半島との交流で栄え、日本最古の水晶玉工房跡や製鉄所遺跡、日本海三大古墳が位置し、豊かな食文化や染織文化、ユネスコジオパークに指定される美しい自然が残っている。丹後の豊かな歴史、風土に着目し、都市部では得られない地域の立場から文化芸術活動がこれからの社会で果たすべき役割や現代社会の課題を「食+くらし+アート」から見直していく事業。本展を体験した人々が京丹後に興味をもち、訪れ、日本の持つ美しい風土、豊かな食文化、周囲の文化資源の魅力を体験することで美しい景色に出会える日本という風土が持つ豊かさ、地域文化を再認識し、芸術文化活動を通して人々の豊かな心を育む機会の提供、新しい文化を想像する基盤の構築を目指す。

展示内容

展示会場では「あしたの畑」のオリジナル商品、京丹後の発酵にまつわる食品を展示・販売する。世界共通の文化、生きながらえるために人が叡智と経験で生み出した「発酵」という技術がもたらす可能性から改めて自然と営みを考える過程でもあり、維持している美とこれらを維持するために各々ができることを問いかけるものである。

  • 畠山直哉 :写真作品
  • かみ添  :京丹後の土を使ったグリーティングカード
  • 佐藤聡  :グラス、薬膳茶器
  • デザイン橡:京丹後の麻を使った寝具
  • 中川周士 :箸と匙、へぎ板を利用した木皿、菓子器
  • 新里明士 :4つ碗、薬膳茶器
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新里明士の4つ碗と中川周士の箸と匙

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佐藤聡のグラス

丗|SEIについて

キュレーターの徳田佳世が希求した外観は京都の町並みに溶け込み、家に入ると「宝物」のように感じる家というコンセプトのもと、建築家・西沢立衛が、町家の伝統に向き合いながら、職人たちとつくり上げたTOMORROWのオフィス兼サロン。通常非公開で企画展開催時のみ公開。

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丗|SEI 外観

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丗|SEI 内観

企画展「Taiza, Tango」開催概要

会期2022年12月10日から12月25日まで
時間11:00 ~ 15:00
会場丗|SEI(京都市左京区)
入場料1,000円