群馬県前橋市江原本家清芳山荘が国登録有形文化財に新規登録
山梨県笛吹市を拠点に古民家宿を展開するるうふが運営する「赤城宿 清芳山荘」(群馬県前橋市)の建物が、2025年3月13日付で国の登録有形文化財に新たに登録された。「江原本家清芳山荘」「江原本家質庫」「江原本家奥庫」の3棟が対象で、いずれも1日1組限定の一棟貸し宿泊施設として活用されている。登録を記念し、限定20組の宿泊者を対象とした特別プランも展開されている。
清芳山荘は実業家・木村清四郎が1913年(大正2年)に東京・麻布に建てた邸宅で、戦前に前橋市で倉庫業を営んでいた江原本家に譲渡されたのち、同市内を経て1985年に現在の赤城山南嶺に再移築された。数寄屋造りを取り入れた本館の意匠や、当時の技術が反映された蔵造りの建築が、文化的価値として評価された。明治時代に建てられた瓦葺の土蔵「質庫」と「奥庫」も、今回の登録対象に含まれている。音にひたるというコンセプトを掲げた空間として再生され、プロジェクターやレコードプレイヤーなどを備えた設備の中で、静かで没入的な宿泊体験が可能となっている。
歴史と現代性を融合させた空間
清芳山荘 本館は、数寄屋造りの様式を保ちながら、現代の快適性を加味した198㎡の広々とした空間。天然檜の浴槽やプライベートサウナを備えた施設で、2名から最大8名まで利用可能となっている。冷暖房、キッチン、プロジェクターなどの設備も充実しており、歴史的空間での特別な滞在を提供している。質庫・奥庫は、2階建てで66㎡の規模。1階にダイニングと浴室、2階にリビングとベッドルームを配置し、レコード鑑賞や映像視聴といった体験を通して、五感に響く滞在が叶う設計となっている。
有形文化財登録記念プラン概要
- 販売期間:2025年4月9日から7月15日まで
- 宿泊対象期間:2025年4月14日から7月18日まで
- 対象施設:清芳山荘 本館 / 質庫 / 奥庫
内容
- 1泊2食付き
- 夕食:選べるメイン(すき焼き または しゃぶしゃぶ)を含む群馬県食材の堪能コース
- 朝食:蒸籠蒸の和朝食
- 予約受付:公式サイトから
赤城宿
群馬県前橋市赤城山の南嶺に位置し、1日1組限定の5棟6部屋の宿泊施設と、その土地ならではの文化を研究する「地かた研究所」で構成される宿場町。文化観光を通して、赤城山の魅力を最大限活かすとともに、事業を通した持続可能な地域文化のあり方を模索するプロジェクト。