歴史的保存と現代的居住が融合する改修プロジェクト
アメリカ・サンフランシスコを拠点とするマーク・イングリッシュ・アーキテクツが、市内カウ・ホロウ地区に建つ2階建て住宅の改修および小規模な増築を完成させた。この住宅は1917年、20世紀初頭に活躍した数少ない女性建築家の一人、エリザベス・オースティンによって設計されたものであり、その遺産を踏まえた慎重なアプローチが求められた。プロジェクトでは、オリジナルの設計思想を尊重しつつ、現代の生活様式に適応させることが目指された。
本建物は歴史的価値を有する建築として指定されており、厳格な保存制度のもとで計画審査が行われた。これに対応するため、設計チームは外観の修復を徹底し、施工中にはすべての装飾部材を取り外して記録・管理したうえで再設置した。同時に、既存の魅力を損なうことなく質を高めるため、精緻な建築的介入と増築が施されている。
内部では、現代の暮らしに即した動線や空間構成へと再編が行われた。これまで未活用であった床下空間(クロールスペース)は居住可能な面積へと転用され、1階および2階には新たなボリュームが付加された。特に注目されるのは、U字型プランの中央部分を大きく開放し、2階の大部分を撤去することで実現したダブルハイトのダイニング空間であり、住まいの中心的な場として機能している。
本プロジェクトは、歴史的建築の保存と刷新の両立を図る近年の潮流を体現するものであり、過去の価値を未来へと継承するひとつの指針を示している。
- Primary Facade Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
- Primary Bedroom Photo credit: Joe Fletcher
- Photo credit: Joe Fletcher
マーク・イングリッシュ(Mark English Architects)
1992年に自身の設計事務所、Mark English Architectsを設立。ベイエリア出身で、長年にわたる現場での実務経験に裏打ちされた実践的な知識とデザイナーとしての芸術的感性を兼ね備えている。その設計思想は、合理性と柔軟性に基づく持続可能なデザイン、そして長く使い続けられる建築の提供にある。
カリフォルニア州立工科大学サンルイスオビスポ校にて建築学士号を取得後、イタリア・フィレンツェにあるシラキュース大学キャンパスで建築学修士号を取得した。
また、2011年から2014年までAIAサンフランシスコ、2014年から2016年までAIAカリフォルニア、2016年から2019年までAIAナショナル・スモールファーム・エクスチェンジの理事を歴任。さらに、多くのデザインアワードにおいて審査員も務めている。

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