海を見下ろす「新しい」ブルータリズム

アーキテクチャー・マスタープライズ2023の「学際的インテリア・デザインの小規模事務所」部門で受賞したZoocoがスペインのカンタブリア海洋博物館の「レストランMMC」を完成させた。スペイン、サンタンデールのセヴェリアーノ・バレステロス通りに位置するこのレストランは、元々ビセンテ・ロイグ・フォルネルとアンヘル・エルナンデス・モラレスが設計し、1975年から1978年にかけて建設された海洋学センターを含む複合建築の一部として構想されたものである。

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

オリジナルの建物は2つの正方形の躯体を天蓋でつないだコンクリート構造。内部は放物線状の膜で覆われた中央の中庭を中心に、3つのフロアに分かれている。2003年に改修と増築が行われ、西側のファサードとテラスの屋根がピラミッド型のアルミ構造で拡張された。

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

今回のプロジェクトでは美術館の2階にレストランとテラスが入る新しいスペースが設けられ、運営上の必要性に応じ屋根とファサードに存在する病理学的な問題を解決する新たなボリュームも創り出した。

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

このボリュームの正方形の形態は、4つの三角形の追加することで完成した。元の建物の放物線を規則正しく修正しコンクリートの放物線の生々しさを内部へ露呈させ、幾何学を過去の名残としレストラン内部の主役へと役割を与えた。三角形の木製の偽天井によりその芸術的な要素が強調されている。

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

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Restaurant MMC
Photo credit: David Zarzoso

外観は、透明度を最大限に追求したガラスボックス(向きによってカーテンでニュアンスをつけている)を用いてサンタンデール湾の素晴らしい景色を一望できるようになっており、海にいるような感覚を与えてくれる。

Zooco

マドリッド建築学校の卒業生であるミゲル・クレスポ・ピコ、ハビエル・グスマン・ベニート、シクスト・マルティン・マルティネスの3人によって2009年に設立。大規模な建築物から家具デザインまで、デザインの観点から幅広い活動を展開し、クライアントとそのニーズに合わせたソリューションを提供している。