中国・天津初のスポーツパーク

バリスティック・アーキテクチャー・マシン(BAM)は北京、上海、ニューヨークに事務所を構える型破りなデザイン事務所で、都市景観に関する既成概念に囚われないデザインに挑戦し続けている。「天津4Aスポーツパーク」はカナダで開催された第16回グランプリ・デュ・デザイン・アワードのランドスケープ・プロジェクト・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、公共スペースに遊びを通して学習環境を組み込むという革新的なアプローチが評価され、アーキタイザーA+アワードでも表彰された。

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Aerial view Tianjin 4A Sports Park
Photo credit: Wu Qingshan

BAMは新しいデザインで古代の歴史を祝う

この場所は歴史的な宜興遺跡の上に建設された近代的な都市であり、江蘇省の別の宜興の町と特別なつながりがある。大運河の建設にともない宜興の住民は村ごと移転し、天津市の北に一時的な町を再建した。この歴史的な町は破壊されてしまったが、BAMは元の宜興の都市計画を「すでに書かれていた文字を消して新しく書かれた古文書」という意味のパリンプセストとして活用し、失われた歴史を現代的な形で体現し、コミュニティに還元している。

スポーツ、食事、遊び、迷路

プロジェクトは互いに重なり合う4つの区画に大別される。各区画は北西から南東に走る中心軸によって定義され、モールを介して住宅地と地下鉄を結んでいる。もう1つの軸はアクティビティやイベントのためのオープンスペースである大きな中央広場であり、4つの区分は各環境に分かれ、それぞれがユニークなスペースとプログラムを持っている。景観、店舗、住宅、地下鉄の間でバランスを取りながら、綿密に計画されている。

迷路と学びの旅

迷路は公園のデザインに不可欠なアイデアであり、空間的側面とテーマ的側面を結びつけている。迷路は蛇行する街路がある古代の町の雰囲気と呼応しているだけでなく、歴史や地域を学ぶための役割もはたしている。訪れる人々に人生において常に自分だけの道を探し求めるものであることを思い起こさせる。

バリスティック・アーキテクチャー・マシン

バリスティック・アーキテクチャー・マシーン(BAM)は、都市景観のデザインに取り組む学際的なデザイン・スタジオ。京都デザイン・アワードでグローバルトップ100に選ばれ、2024年アーキタイザーA+アワードではベスト・ランドスケープ・スタジオ・オブ・ザ・イヤーとしてスペシャルメンションを受賞。北京、上海、ニューヨークのオフィスを拠点に国際的に活動している。