伝統と現代性の融合
1837年の創業以来、リスボンを代表する老舗ベーカリー「パステル・デ・ベレン」が、ヴィテルボ・インテリア・デザイン・アトリエの設計により、新たな空間を隣接地にオープンした。デザインを手がけたのは、ポルトガルを拠点に国際的に活躍するインテリアデザイナー、グラシーニャ・ヴィテルボ。伝統と革新が交差するこの空間は、訪れる人々にとって新たな体験の場となっている。
新店舗は歴史ある本店に寄り添うように位置し、世界中から訪れる来客に対応するために設計された。グラシーニャ・ヴィテルボのシグネチャーである、タイムレスなエレガンスとモダンな感性のバランスが空間全体に表れており、「パステル・デ・ベレン」が長年培ってきたブランドのアイデンティティと深く結びついている。
- Photo credit: Viterbo Interior Design Ateliers- Photo: Francisco Almeida Dias
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インテリアはポルトガルの職人文化を感じさせる素材や仕上げが用いられ、どこか懐かしくも新鮮な雰囲気を醸し出している。オーク材、ハンドメイドのタイル、ライムプラスターによるテクスチャーの壁が温かみのある空間を構成し、自然光のような照明演出がリスボンの午後の光を想起させる。さらに、空間構成にもこだわりが詰まっている。動線を最適化することで、ペストリーやコーヒーを購入する際の快適さが向上しつつ、本店の魅力ともつながる体験が実現されており、過去と現在が対話するような、時代を超えた共鳴がここにある。ディテールへの徹底したこだわりもこのプロジェクトの特長だ。機能性と美しさを兼ね備えた特注のカウンターや棚、真鍮のアクセントが空間に上品さを加えている。ブランドを象徴するブルーとホワイトのカラーも、現代的な素材感とパターンで再解釈され、オリジナルの精神を保ちながら新たなアイデンティティを表現している。
- Photo credit: Viterbo Interior Design Ateliers- Photo: Francisco Almeida Dias
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このプロジェクトは、ヴィテルボの哲学である「感情・物語・つながりとしてのデザイン」を体現している。空間のすべての面と寸法が五感に訴えかけ、訪れる人々に発見と帰属意識をもたらす体験を創出する。ポルトガルの伝統を現代のクラフトマンシップとデザイン言語で昇華するという、スタジオのビジョンが表れている。今回の新店舗は今後のプロジェクトの序章でもあり、2026年にはヴィテルボ・インテリア・デザイン・アトリエが本店全体の改装を担当する予定。ブランドの伝統を再解釈しつつ、グローバルな視点に応える空間づくりを進めていく。新たな設計では、本店の魅力やオーセンティシティを守りながら、機能性や動線、美的統一感を向上させることが目指されている。このように、伝統と現代性を融合させた空間は、厳選された素材と丁寧なディテールを通じて、訪れる人々の体験を豊かにし、ポルトガル文化の象徴ともいえる存在の本質を守り続けている。
ヴィテルボ・インテリア・デザイン・アトリエ
1979年にリスボンで設立されたヴィテルボ・インテリア・デザイン・アトリエは、二世代にわたる家族経営のスタジオであり、オーダーメイドのラグジュアリー空間で国際的な評価を得ている。グラシーニャ・ヴィテルボのクリエイティブなビジョンと、夫ミゲル・ヴィエイラ・ダ・ロシャ(Miguel Vieira da Rocha)の戦略的ディレクションのもと、クラフトマンシップと感性、タイムレスな美学が融合した空間を手がけている。スタイルの名手として知られるグラシーニャ・ヴィテルボは、地理・建築・景観・ライフスタイルといった文脈を踏まえ、プロジェクトごとに異なる解釈を加える稀有な才能を持つ。彼女のデザインはトレンドに左右されず、歴史的な邸宅から現代的な都市空間まで、真のオーセンティシティと魂を宿した空間へと昇華させている。40年以上にわたる実績を誇る同スタジオは、ポルトガルにおけるデザインとクラフトマンシップの基準を築き、欧州・中東・アメリカにおいても数多くのプロジェクトを展開してきた。各プロジェクトは「伝統と革新の出会い」をテーマに、独自の物語を紡いでいる。一貫した「ターンキー型」のプロセスもヴィテルボの強みだ。コンセプト立案から設計、施工・設置に至るまで、すべての工程を管理し、卓越した統一感と品質を保証している。この徹底したディテールへのこだわりにより、ヴィテルボは現代ラグジュアリーの本質を再定義し続けている。芸術・文化・ポルトガルデザイン、そして職人技の美を称える、人間中心の豊かな空間を創出している。

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