庭やオープンスペースを内包する空間構成となる9つの区画

最初の#11は#11 Ⅱの建築家ビー・ビサヤワーンウォン(Bea Vithayathawornwong)であるオーナーの幼少期の住まいだった。2ベッドルームで2台の車庫があり、2階建て住宅で5人家族で住んでいたが、より広いスペースが必要になったため引っ越しを余儀なくされた。後にこの建物は取り壊され20年近く空き家になっていたが、兄弟の一人がこの近所に戻り旧家の敷地に再び建物を建てることとなった。adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-6

L字型に配置された当初の敷地に3LDKの2階建ての#11 II を重ね合わせ、マンゴーの木が生い茂る芝生の上、敷地の南西の角にはオフィスが入る2階建ての建物が建っている。住居と事務所をつなぐ両階の屋外テラスは4本の線で区切られた9つの区画からなる建築的複合体となっており九正方格子を連想させる。adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-1

480平方メートルの小さな敷地でプログラムを追加するために、四方のセットバックを最小限にする必要があった。その結果庭やオープンスペースを内包する空間構成となり、9つの区画のうち2つは緑の中庭が占め、中央は完全に空に向かって開かれた空間となっている。adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-8

上層部のベッドルームとオフィスは天井が高くコーナーに配置され、黒い格子状のファサードに包まれている。パビリオンはオープンテラス、ベランダ、通路で結ばれている。寝室、リビング+ダイニング、キッチンが高台にあるオープンテラスを中心に集まっているタイの伝統的な住宅、ルエン・タイ様式の様な空間特性になっている。オフィス棟の1階は開口部を多く取り、スライド式のパーティションで仕切られた多目的で風通しの良い空間となっている。このエリアもルエン・タイ様式の多目的な1階空間を模倣している。adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-10adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-4adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-9

黒い格子状のファサードは木質プラスチック複合材でできたプレハブパネルで、ファブリケーションはルエンタイ様式の壁を構成する模様を参考にしているが、より抽象化され現代的なデザインとなっている。無垢の壁と空洞の両方を包む黒で上階全体を統一し、一見モノリシックな塊の高架群を形成し、1階の単色な白いコンポーネントの上に浮かんでいるように見える。テラゾー、タイ産大理石、木製ドアや窓、セメントレンダリング、真鍮の金具など、最初の#11で使用された古い素材と、新しい素材が意図的に対になり、古い記憶は新しい物質性の中にノスタルジアとして保存されている。adf-web-magazine-asa-publication-beautbureau-#11 II-5

ビューティー・ビューローについて

ビューティー・ビューローは建築家ビー・ビサヤワーンウォンが率いるバンコクを拠点とする建築デザイン事務所。美学、素材、加工技術への内省的なこだわりとデザインの人間的・社会文化的文脈への積極的な関わりとのバランスをとることを目的としている。作品はオブジェ、家具、インスタレーション、リサーチ、出版物、インテリア、建築など多岐にわたる。