スペイン・カタルーニャの建築家ダミアン・リバスとD’Aussy Interiorsによるインテリアデザイン
スペイン・カタルーニャ地方、画家サルバドール・ダリの故郷として知られるエンポルダ地方に、建築家ダミアン・リバスとD’Aussy Interiorsのクララ・ジョリー・ドーシーが手がけた新築住宅が完成した。自然に溶け込むように設計されたこの住宅は、バルセロナとジローナの二都市を行き来する家族のための「再接続」と「休息」の場として機能している。本プロジェクトでは、建築とインテリアが有機的に連携し、土地の素材や職人技を活かしたミニマルで温かみのある地中海スタイルを体現している。
この住宅は、地上階と地下からなる2つの長方形のボリュームで構成されており、それぞれが昼のエリア(リビング・ダイニング)と夜のエリア(寝室)に分かれている。中央の玄関スペースを介して両エリアを繋ぐ設計により、自然光が住宅全体に行き渡り、地下にまで柔らかく光が届くよう工夫されている。空間全体に内外の連続性が生まれ、建物と庭との境界が曖昧に感じられる。また、使用されている素材は乾式の石積み、カタルーニャ産のトバ石、漆喰、ラスティックなマイクロセメント、オーク材、黒い金属など、すべて土地に根ざした「高貴な」マテリアルで構成されている。インテリアデザインを手がけたD’Aussy Interiorsは、これらの建築的基盤に、リネンやコットンなどの天然素材、リサイクル木材、セラミック、紙素材、金属などを丁寧に組み合わせ、飾り気のない温かみのある空間を生み出している。
リビングスペースには、薪の暖炉とリネンのソファ、大開口の窓が設けられ、自然光と通風が確保されている。オフホワイトで塗装された傾斜天井が広がりと明るさを演出する。L字型のキッチンは、白いキャビネットと木の棚で構成され、視覚的な軽やかさと機能性を両立。木製スツール付きのアイランドが空間に温かみを加えている。円形の白いテーブルとラタンチェア、和紙製のペンダントライトを配したダイニングエリアもまた、シンプルかつ開放的な印象を与える。リビングの対面には、わずかに床を高くした書斎スペースが設けられており、オークの棚にセラミックや白い小物が配置され、静謐な雰囲気が漂う。一方、夜のエリアには、特注でデザインされたミニマルな家具が備えられており、各寝室から屋外へ直接アクセスできる。壁に組み込まれたヘッドボードやニッチ型のサイドテーブル、床から天井まで伸びるファブリックカーテンが、空間全体に統一感と静けさをもたらしている。
庭には在来種の植栽が施され、インテリアと自然の境界が一体化。ポーチにはビルトインのベンチとクッション、葦のパーゴラが設けられ、プールサイドのチルアウトスペースとして活用されている。トラモンターナ(北風)を避けながら日光を楽しめるよう、屋外ダイニングや読書、休憩のための多様なエリアが配置されている。
D’Aussy Interiors
エンポルダ地方に拠点を置く住宅のリノベーションおよびインテリアデザインスタジオで、地中海の本質と職人技を重視した空間づくりを行っている。2017年、バルセロナ出身のクララ・ジョリー・ドーシーと、工業デザイナーでランドスケープデザイナーでもある父・ドミニクにより設立された。バルセロナ、オーストラリア、コスタ・ブラバでの経験を活かし、自然との共生を重視したスローリビングの哲学に基づく住空間を提案している。スタジオでは建築家やランドスケープデザイナー、地元の職人との協働により、土地の素材と環境に根ざしたプロジェクトを実現している。2026年には、コスタ・ブラバでの伝統的かつ持続可能な住宅探しをサポートする国際顧客向けサービスも開始予定。

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