「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」が東京と京都で開催
世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターの所蔵品から貴重な作品が多数来日する「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」が、東京の国立西洋美術館(2023年10月3日から2024年1月28日)と京都の京都市京セラ美術館(2024年3月20日から7月7日)にて開催される。日本でキュビスムを正面から取り上げる本格的な展覧会は、およそ50年ぶりとなる。
西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしたキュビスムは、20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出された。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来する。慣習的な美に果敢に挑み、視覚表現に新たな可能性を開いたキュビスムは、パリに集う若い芸術家たちに大きな衝撃を与え、装飾・デザインや建築、舞台美術を含む様々な分野で瞬く間に世界中に広まり、それ以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしている。
本展では、キュビスムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品が多数来日し、そのうち50点以上が日本初出品となる。20世紀美術の真の出発点となり、新たな地平を開いたキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、主要作家約40人による絵画を中心に、彫刻、素描、版画、映像、資料など約130点を通して紹介する。
主な出品作品(予定)
本展のみどころは、ピカソ12点、ブラック15点というこれまでにないまとまった作品数で、絶えず変化を続けながら展開した2人の画家によるスリリングなキュビスムの造形実験を追体験できることである。どの作品も第一級だが、ピカソのプリミティブな裸婦像に衝撃を受けて制作されたブラックの重要作《大きな裸婦》(1907-08年、日本初出品)、ポンピドゥーセンターを代表するピカソのキュビスム絵画《肘掛け椅子に座る女性》(1910年)は必見。
一方、公的な展覧会の場で積極的に集団展示を行い、ピカソとブラックとは異なるキュビスムの流派を築いた「サロン・キュビスト」と呼ばれる画家たちの絵画では、ポンピドゥーセンターの人気作品で横幅4メートルにも及ぶロベール・ドローネーの大作《パリ市》(1910-12年)が初来日する。また、初期の傑作《ロシアとロバとその他のものに》(1911年)を含む、粒揃いのシャガールの絵画5点も見逃せない。
主な出品作家 (アルファベット順)
コンスタンティン・ブランクーシ、ジョルジュ・ブラック、マルク・シャガール、ロベール・ドローネー、ソニア・ドローネー、マルセル・デュシャン、ナターリア・ゴンチャローワ、フアン・グリス、マリー・ローランサン、ル・コルビュジエ、フェルナン・レジェ、ジャック・リプシッツ、アメデオ・モディリアーニ、パブロ・ピカソ ほか
ポンピドゥーセンターについて
近代芸術の支援者だったフランスのジョルジュ・ポンピドゥー元大統領によって1969年に構想され、1977年に開館したポンピドゥーセンターは、パリの中心部に位置する複合文化施設。なかでも同センターの中核を占める国立近代美術館は、20世紀初頭から今日にいたる世界屈指の近現代美術コレクションを誇り、キュビスムの優品を数多く収蔵している。プリツカー賞を受賞した2人の著名な建築家、リチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノによって設計され、パイプやチューブ状のエスカレーターがむき出しになった特徴的な外観でも知られている。
「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」開催概要
会場・会期 | 国立西洋美術館:2023年10月3日(火)~2024年1月28日(日)/京都市京セラ美術館:2024年3月20日(水・祝)~7月7日(日) |
公式サイト | https://cubisme.exhn.jp |