青木悠太郎による個展「double」
オルタナティブ・アートスペースMONO.LOGUESは、アーティスト青木悠太朗による個展「double」を2021年11月26日(金)から12月20日(月)まで開催する。青木は主に日常生活を題材とし、木材や金属といった身近な素材を用いて、簡素な形状を組み合わせた彫刻作品を制作している。青木は場所の特性を入念に考察してから彫刻物を設置することで、建築空間のような作品としても成立させる。
ミニマリズムの概念を有する青木の作品は、シンプルな要素が多い故に、観る側に自由な解釈を投げかけている。それにより、鑑賞者は作品に入り込むゆとりが生まれ、馴染みや親密性、共通性を生み出す。また、青木は自らをとりまく様々な現象や状況、環境を自然体で受け入れることによって、事実としてただ現れた状態を作品として再現し、同時に、彼自身のパーソナリティーも展示空間に反映させている。
アーティスト・ステートメント
私はアトリエに向かう時や、仕事、旅行で出掛ける時、常に車で移動している。
運転していると、車窓から見える景色が過ぎ去っていくのが分かる。
走り続ける中で、その景色、まだ見えている景色は動き続けている。
自分から離れるほど遅く、少しずつ対象が動いているのが分かる。
速く走るほど視界は狭くなり、近くのものは一瞬ですれ違い見えなくなる。
流れていく景色の中で、見えなくなったモノ、視界の端にわずかに見えたモノ。
移動速度によって変化する状況を捉えて、形にしていく。
見えるものは見える、見えないものは見えないものとして、認識できる空間を表現する。青木悠太朗
青木悠太朗 プロフィール
1988年静岡県静岡市生まれ。2013年東海大学大学院芸術学研究科造型芸術専攻修了。制作で最も重要なことは空間を把握すること。対象となる空間を鑑賞者がどのように認識出来るのか。すでに在る環境からその構造を引き出し、駆け引きを投げかけ、彫刻作品によって表し出す。主な個展に、2017 年「Oasis」(nap gallery/東京)、2019 年「Puerta del cielo 空の扉」(Studio BlockM74/メキシコシティ)、2021 年「東京遊牧生活」(art gallery closet/東京)などがある。