「森山大道の東京 ongoing」展
東京都写真美術館では、スナップショットの名手として知られる、日本を代表する写真家・森山大道の個展「森山大道の東京 ongoing」を2020年6月2日(火) から9月22日(火・祝)まで開催する。森山大道は、1960年代に写真家として活動を開始し、そのハイコントラストや粗粒子画面による作風は「アレ・ブレ・ボケ」と形容され、写真界に衝撃を与えた。
以来、世界各国の美術館での大規模展、2019年のハッセルブラッド国際写真賞をはじめとする数々の国際的写真賞の受賞など、デビューから55年を経た現在も世界の第一線で活躍し続ける。 本展では、「ongoing=進行中、進化し続ける」をテーマに、今なお疾走し続ける森山大道がレンズを通して、とらえ続けてきた東京を、カラーとモノクロの最近作を中心に展示する。
森山大道|MORIYAMA Daido プロフィール
1938年大阪府に生まれる。デザイナーから出発し、1960年岩宮武二のアシスタントとなり、岩宮の紹介により1961年「VIVO」を目指して上京するが、「VIVO」解散のため細江英公の助手となり、『薔薇刑』(集英社、63年)の制作に携わる。1967年、『カメラ毎日』で連載したシリーズ《にっぽん劇場》などが評価され、日本写真批評家協会新人賞を受賞。1968-70写真同人誌『プロヴォーク』第2号より参加し、「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれる従来の写真表現を否定するラディカルな表現の写真を発表、衝撃を与える。一貫して路上から日常の断片をスナップショットで撮影、精力的に作品制作をおこなう傍ら、1974-80年にはワークショップ写真学校やイメージショップCAMPなどで多くの若手写真家を輩出した。1974年ニューヨーク近代美術館、セントルイス美術館、サンフランシスコ近代美術館などアメリカ国内を巡回した「ニュー・ジャパニーズ・フォトグラフィー」展に出品。1999年サンフランシスコ近代美術館において回顧展を開催、ニューヨーク近代美術館などを巡回。そのほか2003年および2016年カルティエ財団現代美術館での海外個展を開催し、13年にはテート・モダンでウィリアム・クラインとの2人展が開催されるなど、国内外での展覧会多数。
主な受賞
2003年第44回毎日芸術賞受賞、2004年ドイツ写真家協会賞受賞、2012年国際写真センター(ニューヨーク)Infinity Award生涯功績賞、2019年ハッセルブラッド国際写真賞ほか多数受賞。
主な写真集
『にっぽん劇場写真帖』(1968年、室町書房)、『写真よさようなら』(1972年、写真評論社)、『遠野物語』(1976年、朝日ソノラマ)、『光と影』(1982年、冬樹社)、『犬の記憶』(1982年、冬樹社)、『ハワイ』(2007年、月曜社)、『犬と網タイツ』(2015年、月曜社)、『K』(2017年、月曜社)、『Pretty Woman』(2017年、Akio Nagasawa Publishing)ほか多数。東京都写真美術館|「森山大道の東京 ongoing」展開催東京都写真美術館|「森山大道の東京 ongoing」展開催