オンライン企画展「DOMANI・明日展 plus online 2020」
新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外で展覧会や芸術祭、アートフェア、公演の延期や中止が続く今。再び日常への一歩を踏み出す作家たちとの連帯、共感を示すべく、文化庁初のオンライン企画展「DOMANI・明日展 plus」が2020年7月3日(金)に緊急開催する。
文化庁では、日本の芸術界を支える人材の育成のため、若手芸術家が海外の関係機関等で研修を行う支援をする「新進芸術家海外研修制度(在研)」を実施。その成果発表の機会として、研修を終えた若手中堅美術家による企画展「DOMANI・明日展」を1998年から開催してきた。この春以来、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外でつぎつぎに展覧会、芸術祭、アートフェア、公演の延期や中止が続き、わたしたちは深い文化的な中断を体験してきた。若手中堅美術家の支援を第一義とする「DOMANI・明日展」は、再び日常への一歩を踏み出す作家たちとの連帯、共感を示すべく、「DOMANI・明日展 plus」をオンラインで緊急開催する。
本展は、文化庁主催による初のオンライン企画展となる。「新進芸術家海外研修制度」の研修経験者7作家、さらにゲスト作家として青山悟を招き、今の日本のアクチュアルな、かつ国際的にひらかれた表現と言葉をいち早く発信する。

奥村雄樹《東京都現代美術館とアーティスツ・ギルドの協働企画「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」展にてダン・ペルジョヴスキの展示空間で同氏にインタビューしたときの映像》※2016/Courtesy of the artist and MISAKO & ROSEN, Tokyo
本展のサブタイトルは「〈前夜〉を生きる」。このサブタイトルは、今年1~2月に開催された「DOMANI・明日 2020展」の試みを引き継ぐ。「DOMANI・明日 2020展」のサブタイトルは、「傷ついた風景の向こうに」。本展では、20世紀以降の大きな自然、人為的災害の「あと」を現代作家の表現にみる試みを行った。しかしながら、その開催中からコロナ禍の「予兆」に遭遇することにった。
展覧会WEBサイトは、オンラインの特性を活かしつつ、現実の美術展体験とも重なり合うようなデザインを目指した。これからの美術表現の発信と共有をめぐり、更なる可能性を探る試みでもある。また、ウェブサイトの構築も「新進芸術家海外研修制度」研修経験のあるデザイナーを含むチームで臨み、ウェブサイトデザインにも注目。国際的な移動や発表を前提に活動してきた作家たちが、未曽有の「ロックダウン」状態のアートシーンに遭遇するなかで準備した試み。

青山 悟《Everyday Clock》2020 参考図版 撮影:青山 彩加 ©AOYAMA Satoru, Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery
出品作家
小金沢健人(1974年生【2001年度(3年研修)・ベルリン】)現代美術
田村友一郎(1977年生【2012年度(1年研修)・ベルリン+ロンドン他】)現代美術
奥村雄樹(1978年生【2012年度(1年研修)・アントワープ】)現代美術、翻訳
山本篤(1980年生【2018年度(1年研修)・フエ(ベトナム)】)現代美術、映像
山内光枝(1982年生【2014年度(短期研修)・ミンダナオ(フィリピン)】)現代美術、映像
加藤翼(1984年生【2014年度(2年研修)・シアトル】)現代美術、インスタレーション
やんツー(1984年生【2013年度(1年研修)・バルセロナ他】)メディア・アート
青山悟(1973年生、ゲスト作家)現代美術、刺繍
DOMANI・明日展 plus online 2020 概要
展覧会名 | DOMANI・明日展 plus online 2020 |
会期 | 2020年7月3日(金)~10月11日(日) |
WEB展 | https://online.domani-ten.com/ |
主催 | 文化庁 |
キュレーション | 林洋子(文化庁・芸術文化調査官) |
URL | https://domani-ten.com/ |