来日中の現代アーティストのジョージ・スタマタキスが世界初公開の新作インスタレーション《現象の色》を発表

Tokyo Tokyo Festival「現象の色 The Color of Phenomenon」展がすみだ北斎美術館で2020年12月18日(金)〜26日(土)まで開催される。本展はオリンピック・パラリンピック関連文化プログラムTokyo Tokyo Festivalの一環として構想され、2019年の企画当初、江戸時代からの伝統的な藍染工房が残る墨田区での滞在制作が計画されていた。しかし、新型コロナウイルスの世界的流行により、日本政府も外国人の入国を規制したため、ジョージ・スタマタキスは来日を諦め、2020年6月に予定していた展覧会は延期され、アテネでの制作が始まった。

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ジョージはギリシャ西部の「7つの島」と呼ばれるエリアのうち、コルフ島、ケファロニア島、イタカ島、パクソス島、アンティパクソス島周辺で近年6,000枚以上の海中写真を撮り溜めてきた。さらに今夏、ふたたびパクソス島を訪れて撮影したものを新たに加え、その中からインスタレーションに採用する62枚のイメージを厳選。その後、それらをトルコ国境付近のアレクサンドロポリにある印刷工房で絹に転写し、日本から空輸した徳島産の藍で染めあげた。

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10月の規制緩和とともに滞在ビザを取得し、来日が叶ったジョージは、自らの手で新作インスタレーション《現象の色》を完成させ、発表。会場には、制作プロセスを記録したドキュメンタリー映像(監督:ゾーイ・マンタ)、美術史家デニス・ザカロポロスの寄稿文も展示され、2020年にしか辿り得なかった奇妙な旅の軌跡を作品とともに振り返る内容となっている。

ジョージ・スタマタキス ビジュアルアーティスト/画家

1979年ギリシャ・クレタ島生まれ、アテネ在住。イレアナ・トゥンタ現代美術センター所属。空間を超越し、風景の概念を拡張する芸術体験を志向。政治的立場として自然と対話し、さまざまな文化の歴史的刻印を取り入れながら、徹底性と独特の表現法を追求する。アテネ美術学校在学中に東京藝術大学彫刻科へ留学。経済学とジャーナリズム/メディアの学位も持ち、2016年よりアテネ産業経済大学「芸術と教育」プログラムの研究員を務める。2019年2月、銀座のギャラリィKにて日本初個展『木の庭』を開催した。

Tokyo Tokyo Festival「現象の色 The Color of Phenomenon」概要

アーティストジョージ・スタマタキス
会場すみだ北斎美術館(MARUGEN100)
会期2020年12月18日(金)〜26日(土)
休館2020年12月21日(月)
時間平日11:00〜17:30 / 土日9:30〜17:30