政府・市民ビルディング部門のポピュラー・チョイス・アワードを受賞した公共的な目的のための柔軟な空間
韓国の民主主義発祥の地として知られる国会議事堂内に位置する国会広報館は、ハイアーン・アーキテクチャー & H・アーキテクチャーによって、既存の構成要素の秩序を受け入れつつ、多元的な思想を反映したオープンスペースとして計画された。国会広報館は、複数の利用者が集う場所であるため、システム的なセキュリティシステムだけでなく、空間の柔軟性、拡張性が要求され、国会議事堂というフォーマルなモニュメントに加え、市民の日常生活が自然に営まれるような「開かれた場所を含むフレキシブルな建物」をつくることを目的とした。
フレキシブルなエリアに開かれた緑地を実現する
プロジェクトの敷地は、元々豊かな木々に囲まれた緑地であった。そこで、4階建てまでの高さとすることで、親しみやすく、低い位置にあるヒューマンスケールの建物を目指し、公共緑地も設けた。結果、ビルは緑の木々の中に埋もれ、屋上も自然の流れをつなぐグリーンゾーンとなり、国会議事堂周辺のモニュメント的な景観が良好に保たれることを保証している。
フレキシブルなレイヤーでシステマティックな空間を演出
多様な機能と利用者が共存する建物の特性を考慮し、水平ゾーニングによるフロアごとの機能分散により、各施設の独立性を保ちながら、空間の使い勝手と作業効率の向上を図った。
柔軟な隙間によるコミュニケーション空間づくり
建築家は、この建物が多元的な民主主義を表現し、国民、報道、議会政治、行政の複数の機能を包含していることに細心の注意を払った。利用者同士が互いに協力し、対話することで、健全な民主主義と国家ビジョンを支えていくことを目指し、「出会い・交流」をテーマに空間アイデンティティを構築した。
ハイアーン・アーキテクチャー
1990年の設立以来、ハイアーンは常にイノベーティブな都市環境デザインの創造に挑戦してきた。建築、PCM、都市計画、ランドスケープデザイン、環境デザイン、インテリアデザイン、サスティナブルデザインなど、さまざまな分野のスペシャリストが集まったチームの精神とモチベーションをもとに、あらゆるタイプの革新的なデザインで価値を創造している。
エイチ・アーキテクチャー
2006年に設立されたエイチ・アーキテクチャーは、ニューヨークを拠点に、都市デザイン、マスタープランニング、建築デザイン、インテリアデザインに特化した先進的なデザイン事務所。建築環境における様々な空間次元をつなぐ存在として、建築を活用することに努めている。都市のグリッド、景観、地面、建物、インテリアを調和させ、統合するために建築の多様性を鍛え、クライアントのビジョンや要求が具体化し、居住者やコミュニティが空間のパワーと優雅さを体験できる空間を創造することに専念している。