光と異彩が交わるインスタレーション

東アジア文化都市 2025 鎌倉市企画展「わたしの輪郭が、やわらかくなる。」が鎌倉・建長寺の応真閣で2025年12月12日(金)から12月16日(火)まで開催される。歴史的建造物を舞台に、障害のある作家の芸術性・創造性と光のインスタレーションが静かに交わった空間が創出される。

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東アジア文化都市とは、日本・中国・韓国との合意により毎年各国から選定された都市が様々な文化芸術イベントや交流事業をとおし相互理解と連帯感を深めながら、世界に多様な文化の発信力を強化していく国家プロジェクト。本展は共生社会の実現を目指す鎌倉市により、障害の有無や国籍・文化など様々な違いを思いやり、人それぞれによって違う「ふつう」や「当たり前」を体現する機会として開催される。

初日となる12月12日(金)にはヘラルボニーのCo-CEO・松田崇弥、鎌倉市長・松尾 崇、臨済宗建長寺派 教学部長・山名田紹山によるオープニングトークイベントが予定されている。参加は専用サイトから事前申込が必要。

展示作品一例

トラックが大好きな彼が、ある時からドライブ中に見た車を絵や陶土で表現するようになった。現在ではトラックに限らず、人物や風景画等、雑誌や画集をモチーフに墨汁と割り箸1本のみを使用して次々に作品を生み出してゆく。モチーフ全体を見ながら素早く筆を走らせ全体像を描き上げると、描いた線上を流れに添って何度も何度も塗り重ねる。飛び散った墨汁の滴や擦れ合わさった線が絵に躍動感をあたえていく。いつも、ひとりお気に入りの音楽を聴きながら、寝転がり肩肘付いて描く様が、彼のスタイルである。

よく見ると、いろいろな数字がつなげて描かれているのがわかる。小林は養護学校中等部の在学中に、日記も作文もすべての文字を独特の形にアレンジして書くようになった。 初め学校の先生も何とか直せないかと苦心したが、やがてこれを魅力的な造形表現ととらえることに切り替える。 これを転機に、彼の表現は多くの人に喜びを与えるアートとして羽ばたき始めた。彼の好きな音楽家はビリー・ジョエル、クイーン、井上陽水、スピッツ、THE BOOM。そして散歩が大好き。

10歳のサマーキャンプで水彩画と出会って以来、自宅で「1日1枚」絵を描くのが彼の日課 。具体的なモデルはなく、その日の心の中にあるイメージに応じてパレットから数色の組み合わせを選び、ジェリービーンズや雨粒を彷彿とさせる水々しいタッチで大判画用紙を埋め尽くしていく。 色相が濁らないよう、米国製の透明水彩絵の具を愛用している。完成した絵を見た人が「きれいねー」と伝えると、嬉しそうに「きれいねー」とオウム返しする。余暇にはボストンのアートクラスで、さをり織り、ピアノ、ダンスを楽しんでいる。

植物を見て描くというのが彼の制作スタイル。色や形を単純化して構成する画面の構成力も魅力である。太筆で描き進める作品は、愛らしく、見る人を優しい世界へ連れて行く。一方、マジックペンで大胆に表現されるオリジナルの「福井フォント」が使われた作品は凛然とした雰囲気を纏い、見るひとの目を惑わせる。

2001年大分市生まれ。3歳の頃、重度知的障害を伴う自閉スペクトラム症と診断される。現在は、社会福祉法人幸福会 やまびこ広場(生活介護)に通所。ロゴマークや文字に強いこだわりを持ち、小学生くらいから好きなものを絵に起こすことをほぼ毎日行っている。描くスタイルも独特で、多動もあって常に歩き回っているが、突然座ったかと思うと描きだす・・といった予測不能の描き方をする。

大本山 建長寺

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建長寺(けんちょうじ)は、神奈川県鎌倉市山ノ内にある禅宗の寺院で、臨済宗建長寺派の大本山。正式には巨福山建長興国禅寺(こふくさんけんちょうこうこくぜんじ)と号する。鎌倉時代の建長5年(1253年)の創建で、本尊は地蔵菩薩。開基(創立者)は鎌倉幕府第5代執権・北条時頼、開山(初代住職)は南宋の禅僧・蘭渓道隆で、第二世は同じく南宋の兀庵普寧である。鎌倉五山の第一位。境内は「建長寺境内」として国の史跡に指定されている。また、浄智寺などとともに神奈川県の歴史的風土特別保存地区に指定されている。

東アジア文化都市 2025 鎌倉市企画展「わたしの輪郭が、やわらかくなる。」開催概要

会期2025年12月12日(金)~12月16日(火)
時間10:00〜16:30 ※最終入場16:00
会場建長寺 応真閣
URLhttps://tinyurl.com/39ap76c3