建築家 安藤忠雄デザインの大阪大学 感染症研究棟

日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」の一環として建築される、感染症に関する研究棟のコンセプトデザインが発表された。建築家・安藤忠雄の監修によるデザインは、「宇宙船地球号」をイメージした楕円形の建物で、ここで世界中の優秀な研究者が力を結集して問題に取り組んで欲しい、という想いが込められている。

adf-web-magazine-tadao-ando-osaka-univ-1

安藤忠雄氏による大阪大学感染症研究棟コンセプトデザイン 提供:大阪大学

研究棟の形状には、楕円形を採用しました。感染症の問題は、世界を巻き込む人類としての問題であると同時に、地域格差や差別など、一人一人の心の問題でもあります。それらを多角的に解決する「宇宙船地球号」としての役割を意識して、デザインに反映しました。世界中の優秀な研究者がここに集まり、力を合わせて問題に取り組んで頂きたい、そんな願いを込めて楕円形の宇宙船地球号をイメージしています。

―建築デザイン監修 安藤忠雄(2021年12月16日の記者発表にて)

日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクトについて

日本財団が大阪大学と共同で進めるプロジェクト。国内外の研究機関、産業界とのオープンイノベーションを推進しながら、感染症による将来の脅威に備え人々の命と暮らしを守るとともに社会・経済活動の維持に貢献することを目指すもので、日本財団から大阪大学へ10年間で230億円を助成し進める予定。今回の「感染症研究棟整備事業」はこのプロジェクトの一環となる。

adf-web-magazine-tadao-ando-osaka-univ-2

研究棟の模型を持つ大阪大学総長 西尾、安藤、日本財団会長 笹川(左から)

2021年9月14日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で明らかになった社会課題に対応し、新興感染症に即応する「日本財団・大阪大学 感染症対策プロジェクト」~感染症総合研究拠点の設置に向けて~の事業計画が発表された。これは、大阪大学に国際的なハブとなる研究拠点を形成し、社会心理学や行動経済学などの観点からの研究に取り組む構想。今後も起こり得る感染症危機に向け「感染症研究基盤の構築」や「医療人材の育成」、「情報発信及び感染症リテラシー(知識)の普及・向上」等を進めていく。また、大阪大学が今年4月に開設した感染症総合教育研究拠点の研究環境と医療人材育成環境をさらに整備していくことで、世界最高水準の研究基盤の構築を目指していく。

adf-web-magazine-tadao-ando-osaka-univ-3

建築家 安藤忠雄