成都FISU世界大学競技大会に向けて
成都FISU世界大学競技大会のための東安湖スポーツパークブリッジは、2024年第12回アーキタイザーA+アワードの交通インフラ部門で審査員アワードを受賞した。四周建筑の創設者であるシアンシュウ・ジンとジア・リューが、密集都市における橋の役割を再考し、デザインとユーザー・エクスペリエンスの関係を再構築する成都へのデザインの旅に誘う。
東安湖畔運動公園は成都の「東方」中核エリアにある龍泉驛の東安新鎮に位置し、第31回成都FISU世界大学競技大会の開会式会場がある。園内には4万人収容のメインスタジアム、アクアティクスセンター、多目的体育館、マルチボールゲーム体育館の1つのスタジアムと3つの体育館がある。
1つスタジアムと3つの体育館をオープンスペースでつなぐ
FISU大会期間中は橋の架け替えにより交通効率が向上し、スタジアムと体育館がテラスを介して結ばれる。また、FISU大会終了後は公共空間や運動場との交流に重点を置き、アクセシビリティの向上や景観の充実を図るとともに大会終了後の運営スペースを確保する。
- Connecting “One Stadium Three Gyms” with open spaces Photo credit: Arch-Exist
- Aerial View Photo credit: Arch-Exist
- Photo credit: Arch-Exist
- Aerial View Photo credit: Arch-Exist
空間
橋は競技場と体育館のテラスから伸びており、歩行中に異なる高さを視覚的に体験することができる。螺旋を描きながら敷地の中央に下り、子供たちの遊び場を囲むことで囲い込み感のある空間を形成している。中間部では異なる高さのプラットフォームが良好なビューポイントをつくり、出入り口はオープンスペースへとつながるように設計されている。この橋は公共空間と相互作用しながら、様々な空間的・視覚的体験を形成している。
構造
橋の主構造は厚さ1000mmの鋼製箱桁で、20mから30mにわたる六角形のV字型柱を持つ。主構造のオレンジ色は、環境とのコントラストを際立たせながら、動きの傾向を強調している。
- Structure details Photo credit: Arch-Exist
- Photo credit: Arch-Exist
- Structure Photo credit: Arch-Exist
- Structure details Photo credit: Arch-Exist
- Space under the corridor Photo credit: Arch-Exist
- Corridor volume Photo credit: Arch-Exist
- Corridor volume Photo credit: Arch-Exist
コリドー・スキン
橋の外観は2枚の3mm厚の鋼板で構成されている。白いシートが本体のオレンジ色と周囲の緑色を反射し、ボリュームを軽く見せている。2枚のシートの間には照明が配置され、橋に夜間照明の豊かな層を与えている。
- Skin detail in reflection Photo credit: Arch-Exist
- Night view Photo credit: Arch-Exist
- Night view Photo credit: Arch-Exist
- Night view Photo credit: Arch-Exist
- Night view Photo credit: Arch-Exist
四周建筑
地元のライフスタイルと革新的なアイデアが共存する都市、成都を拠点とする四周建筑は2018年に設立された。都市環境とデザインの拡張に焦点を当て、建築の周辺を探求することに専念し、設立以来、社会、経済、都市環境の関係を熟考し探求しながら、さまざまな都市で多様で挑戦的な商業プロジェクトの実現に注力してきた。型にはまらないランドスケープ・ブリッジのデザインを通して、アトリエ・シズーは都市の公共生活のつながりを創造している。