Art Blockchain Network ホワイトペーパー概要

スタートバーンは、アート作品の信用担保とさらなる発展を支える共通インフラ「Art Blockchain Network(ABN)」の全貌を記したホワイトペーパーを公開した。ホワイトペーパー公開の目的は、社会実装と公益性を重視したABNの設計とガバナンスにより、アート業界が長年築いてきた信用や価値形成のプロセスを損なうことなく、全ての人へ流通、評価のためのインフラを提供するために、その詳細を公開し理解を広めて利用者を募ることにある。

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ABNは2018年7月以降、約一年超の実証期間を経て設計の細部の改良を重ね、ホワイトペーパー公開時点でVer.5となっている。公開までの期間、提携先である丹青社、美術手帖、タグボート、AMATORIUM、SBIアートオークション、SMADONAなどの国内企業、シンガポール拠点のMaecenasなど海外企業、提携を検討している多くの団体との協議を行ってきた。また国内外の美術館関係者、ギャラリー関係者、アーカイブ研究者、オークションハウス、コレクターなどアート業界の現状や商習慣に精通したアドバイザーへのヒアリングにより技術面、ガバナンス面の実証と改善を経て、2020年初頭のメインネット運用開始を見据えたホワイトペーパーの公開を開始した。

公開するホワイトペーパーには、技術的な内容だけでなく、ABNがアート業界全体にとって持続可能かつ必要不可欠なインフラストラクチャーとなるための、ガバナンスのあり方やシステムの更新性に関する情報も記載されている。またABNは公共性を重視するため、近日中に設立されるABN協議会が運用を行う予定となっている。協議会設立事前ミーティングを3回に渡り実施し、参加した25団体から広く意見を集めた。ABNは、スタートバーンだけでなく協議会を経由し「脱中心的」な運営を計画している。

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今後のロードマップ

ABNの目的

スタートバーンがスタートした2006年頃は、新人アーティストの作品の流動性を高め、活躍の機会を増やすことを目的としたアートプロジェクトであった。

その後、10年以上が経った頃にブロックチェーンのテクノロジーが登場し、プロジェクトの未来に大きな可能性が拡がる。ブロックチェーンを活用すれば、ステークホルダーが顧客のプライバシーやそれぞれのブランドを充分に保ったまま、アート産業全体にとって有益な情報を共有することが可能となった。

ABNは当初、アーティストのためから、ステークホルダーが相互に繋がる仕組みを追求し続けたことで、著作権管理や流通管理にも適用できる理想のインフラストラクチャーへと繋がった。ABNは、ブロックチェーンのテクノロジーがもたらした可能性を活用し、業界全体の発展を目指した「脱中心的」なインフラストラクチャーの運営を目指している。

スタートバーンについて

スタートバーンは世界中のアーティスト、そしてアートに関わる全ての人が必要とする技術を提供し、より豊かな社会の実現を目指す企業。アート流通、評価のインフラとなるArt Blockchain Networkの構築を推進している。2018年10月のテストネットリリース後、数多くのアート関連事業者がパートナーとして参画し、幅広いフィードバックを踏まえたホワイトペーパーを2019年10月にリリース。その後、メインネット公開を予定している。