バッテリー工具のおすすめメーカー

海外でもバッテリー工具を使いたい場合、どのメーカーのものを使えばいいのか、実際にヨーロッパを中心とした海外のホームセンターや工具店を回ってきた上でのおすすめを紹介したいと思います。

まず確実に海外でも同じものが売っているのは海外のメーカーであるボッシュ(BOSCH)やブラックアンドデッカー(Black & Decker)と、その次に手に入れやすく日本と海外の両方で広いシェアを誇っているマキタ(Makita)です。

ボッシュは海外・日本を問わずホームセンターでも工具店でもネットでも、ほぼ確実に取り扱っているので充電器もバッテリーも付属パーツも容易に手に入りやすく、海外と日本を行き来しながら仕事や活動を行う人には特におすすめです。

プロ用工具などのハイスペックなものより、汎用性の高いものの方が良いというアーティストや素人の方などにはDIY向け工具で有名なBlack and Deckerがおすすめです。プロ用工具には使い勝手が劣りますが、一台多機能の製品もあり、ボッシュ同様日本でも海外でもホームセンターやネット上でどこもでも見かけることができてバッテリー充電器や付属品も手に入りやすいメーカーです。

マキタはコストパフォーマンスとラインナップが良く、日本でも素人から職人まで幅広い層によく使われているブランドですが、ヨーロッパやアジアなど、海外でもマキタを使っている職人をよく見かけます。海外で購入する場合、ホームセンターには置いてあったりなかったりで、確実にどのお店でも手に入るとは言えませんが、大きなホームセンターや工具店、ネットショップなどでは取り扱っていることが多く、比較的手に入れやすいメーカーです。

私は日立(現Hikoki)ユーザーなので、ドイツに行く際にも日立のインパクトとジグソーを持って行ったのですが、当時は日立の電動工具は店頭でもネットでもあまり見かけることがなく、200ボルトに対応したバッテリー充電器を探すのにとても苦労しました。日立の電動工具を売っているのを見かけたのは、主にドイツで展開しているHorn Bach(ホルンバッハ)というホームセンターだけで、他では見かけたことがありません。日立工機は2017年に米系企業に買収され日立グループから抜けてHikokiになったためか、最近は海外のネットショップでも見かけることが増え、以前に比べて海外でも手に入りやすくなってきているようです。

日本とドイツのアマゾンを見比べていると、たまにドイツでHikoki製品を買った方が安いという謎の逆転現象が起きることもあります。ラインナップやコストパフォーマンス、現場の要望を聞き入れたちょっとした付属機能などではマキタの方が優秀なのですが、Hikoki(旧日立工機)は丸ノコや最近発表されたマルチボルトなど、設計開発部門が優秀で他に先駆けて革新的な製品を発表することが多いので、ちょっと割高なのは今後の工具の発展を担う設計開発部門への投資と考えてみるのも面白いかもしれません。

比較的安価でDIY利用者の多いリョービ(Ryobi)製品と日本でも売られている海外メーカーのWORX製品は海外に持って行く場合注意が必要です。二つとも海外のホームセンターでもよく見かけるメーカーなのですが、海外で見かけるリョービの電動工具は明らかにデザインや規格が日本で売っているものと違うので、日本で買ったリョービ製品と海外で買ったリョービ製品の間に互換性がない可能性があることも覚悟してください。また、WORXの場合は、一見同じものが売られているように見えるのですが、よく見ると、こちらもバッテリーおよび充電器の規格が違うため、日本で買ったものが海外では使えない可能性があります。

電気工事士御用達のパナソニックの電動工具は残念ながら海外では見かけたことがないので、海外での使用には向かないでしょう。

電動工具とは異なりますが、日本ではMaxなどを筆頭としたエア工具を使っている職人も多いかと思います。しかし残念ながら、MaxやHikokiやマキタなどのエア工具を使っている職人を海外ではまだ見たことがなく、店頭でもエアツール向けに特化したコンプレッサーや対応工具は日本ほど見かけません。どうも200ボルトが主流の国では電圧が高い分パワーが得られやすいためか、エア工具よりもコード式工具の方が主流なようです。

adf-web-magazine-worx

WORX製品もバッテリーの規格が日本のものとは異なるので注意が必要です。

その他工具等

レーザーレベル(レーザー式墨出し機)はボッシュから出ているものなら海外でも買えますが、タジマなど日本製のものはほとんど見かけません。日本では主流でない型が向こうでは主流なので、使い勝手は少し悪いかもしれませんが、輸送に気を使う精密機器であることを考えれば現地で購入して現地で使う方が無難でしょう。展示の際の水平出しに使う分には安いものでも十分です。

墨壺も海外で見かけることはほとんどありませんが、チョークラインはときどき見かけます。墨自体は大きな画材屋や中国系の雑貨屋などに行けば置いてあることがあります。

丸ノコガイドに関しては、日本でよく職人が使っているタジマやシンワ製のような片手で使える小さめのガイドは海外ではあまり見かけないので、日本で買って持って行った方が良いものの一つです。角度調整が可能な丸ノコガイドも海外ではあまり見かけません。

金槌(ハンマー)は現地で買えば問題ありません。むしろ日本で主流の片方がハンマーで片方が釘抜きになっているタイプ以外にも、片方が斧になっていたり、片方が栓抜きになっていたりなど色々なタイプの面白いハンマーがあるので、ぜひ海外のホームセンターに行った際にはチェックしてみてください。

長さや重さに関する規格は、イギリス以外のヨーロッパの国々では日本と同じくメートル法とグラムが採用されているので変わりありませんが、イギリスやアメリカはヤードポンド法なので注意が必要です。もちろん日本で今でも使われる寸尺規格は海外にはないので、日本で主流の3尺かける6尺の合板などは売っていません。また、日本では構造用合板や下地用合板がよく使われますが、海外ではOSBが下地や構造によく使われています。オフィスや店舗などの内装下地に石膏ボードがよく使われているのは日本も海外も同様です。

ドライバーやビス(ネジ)に関しては日本と同様頭がプラスになっているものが主流ですが、日本では主に精密機器のみに使われる特殊形状扱いのトルクスビット用ビス(別名ヘクスローブ:頭が星形のかたちをしている)も海外ではよく売られ使われています。トルクスネジの方がプラスネジよりも高価ですが、プラスネジに比べて頭が潰れにくく、たとえ頭が潰れても六角レンチで外せるなどの利便性があります。また、ビスを買う際の注意点ですが、海外でビスを一箱買うと折れや曲がり、サイズ違いなどの不良品が一割以上混じっていることがよくあり、安いビスほど不良品の割合は上がるので、そこそこいい値段のビスを買った方が後々後悔せずに済みます。

ビットやドリルに関しては、先に述べたように電動インパクトドライバーのスリーブ規格がAタイプ13ミリが主流の日本とBタイプ9〜9.5ミリが主流の海外では異なるため、日本製のビットや六角軸ドリルは海外製のインパクトドライバーでは使えない可能性があります。また、インパクトで使える六角軸のコンクリート用ドリルは海外ではほとんど見かけないので、インパクトでコンクリートドリルを使いたい人は日本で買って持って行くと良いでしょう。木造家屋よりも煉瓦積みの建物の方が海外は多いので、コンクリート用ドリルを使う頻度はとても高いと言えます。

意外と海外に持って行って重宝したり、海外の職人やアーティストにプレゼントして喜ばれるものが日本製の養生テープです。mtなどのデザインされたマステは海外でも人気で画材屋や雑貨屋によく売られていますが、そのようなデザインテープでなくても、日本製のテープはそもそもの品質が海外製品に比べて格段に品質が良く、手で綺麗に切れるというその一点だけでもすでに群を抜いています。

adf-web-magazine-drils&bits

左が海外で主流の9〜9.5ミリBタイプビットおよびビスと星型のトルクスねじ。右が日本で主流の13ミリAタイプ。

1 2 3