現実と虚構が⽴体的に浮かび上がる仮想リアリティの世界を⾊鮮やかに表現

WISH LESS galleryが中⽥有美による個展「Empty View」を2024年7⽉27⽇(⼟)から8⽉18⽇(⽇)まで開催する。中⽥有美は⾃ら撮影した写真をもとに制作したコラージュを拡⼤出⼒し、その⼿前に⾃作のオブジェを吊るして配置することで、三次元的な重層構造のコラージュを更に作り上げ、それを描写している。adf-web-magazine-empty-view-1

中⽥の⽬を通して描かれた⾊鮮やかな世界は遠近が乱れ、⼿前と奥が狂った奇妙な感覚を呼び起こす。ピントのズレた草花やガラクタなどの形状や⾊彩が変容することによって、脳の奥底に潜在する記憶の断⽚が集まり、新しいイメージとして現れる。現実と虚構を⾏き来する仮想リアリティに迫った中⽥の新作群を会場で体感することができる。adf-web-magazine-empty-view-2

ステイトメント

夜眠る前、考えなくてもいいことばかり考えてしまいます。ただ今を⼀⽣懸命⽣きていれば後ろを向かずに済むはずなのに、過去の⾊々なことが引っかかり、⼼の中の⽬を閉じることができない。
そんな時、何もない場所を思い浮かべます。いろんな物があるのに、何もない場所。何も認識できない景⾊を想像すると、私の⽬は空洞のようになり、⾝体の外的なイメージは消えていく。こうして⾃分⾃⾝がいなくなる時、やっと私は⽬を閉じられます。

ペインティングシリーズ「Near and Far」

⾃分⾃⾝が存在していることをいつも不思議に思っています。過去の記憶は本当にあったことなのか、⾝体は本当に⾃分のものなのか、時々わからなくなります。そういった疑問を絵のモチーフに変えたいと考え、⾃分⾃⾝のいない⾃画像を制作しています。
まず、⾃分が撮った写真をたくさん集めて集合させた架空の⾵景としてのコラージュを作ります。絵の制作ではそのコラージュを⼤きく印刷して壁に貼り、その前にガラクタやゴミを組み合わせた⽴体物や、収集したものなどを吊るして⽴体的状況を作ります。タブローはその容易に描きづらい状況を⽬視して描いたものです。
最終的には、ひとつの絵の中で何か読み取れそうで読み取れないような、例えば過去をはっきり思い出せないような、そんな視覚的状況を⽬指して⾊と形、筆致を組み合わせています。

中田 有美

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adf-web-magazine-empty-view-5adf-web-magazine-empty-view-4中⽥ 有美 | Yumi Nakata プロフィール

1984年奈良⽣まれ。2006年⼤阪芸術⼤学⼯芸学科テキスタイルデザインコース卒業、2009年京都市⽴芸術⼤学美術研究科造形構想専攻修了、2016年京都市⽴芸術⼤学美術研究科博⼠課程油画修了。近年の主な活動として、2024年アートフェアALT Philippines / マニラ、フィリピン、2023年個展 近景と遠景 / ZUKKU/ふわりの森アートプロジェクト、成⽥市、2023年個展Horizontal Stories / LOP café & mini gallery、和歌⼭、2023年 アートフェアPOSITIONS BERLIN / ベルリン、ドイツ、2023年 Shakkei and Japanese contemporary art / MIKIKO SATO TEMPORARY、ハンブルク、ドイツなどがある。

中⽥有美 個展「Empty View」開催概要

会期2024年7⽉27⽇(⼟)から8⽉18⽇(⽇)まで
会場WISH LESS gallery
時間⽊曜〜⽇曜 12:00〜18:00
URLhttps://wish-less.com/