安らぎ、喜び、快適さをもたらす空港デザイン

ショッピングセンター、ホテル、ブティック、ブランドイメージのための創造的で国際的な建築・デザイン介入で知られるボアフィルス・アーキテクツはシンガポールの国際的に有名なチャンギ空港のターミナル2の5年間にわたる拡張プロジェクト（3階建て12万m²）を公開した。パリのエージェンシーは既存のターミナルビルを全面的にリデザインし、特に出発・到着ホールで旅行者が地球とのつながり体験できるこのエリアは、シンガポールに21世紀の新しい玄関口としての「ガーデン・シティ」を提供している。

Photo credit: Changi Airport Group - Fabian Ong

家族の絆

ジャクリーンとアンリ・ボワフィスによって1984年に設立されたボアフィルス・アーキテクツは家族経営のエージェンシーとして40周年を迎え、現在は創業者の足跡をたどる2代目のバジル・ボワフィス（DPLG建築家）が率いている。同社は特にファッションや化粧品業界の一流小売ブランドのインテリア・デザイン工房として国際市場で確固たる地位を築いてきた。

革新的なプレゼンテーション

ボアフィルス・アーキテクツはチャンギ空港第2ターミナルの改修・拡張工事の入札に参加することになる。複雑な問題に対して建築的・商業的アプローチから解決策を見いだしたことや、アジアの文化や市場に精通していることが評価され、このプロジェクトに重要な芸術的・文化的要素を持ち込むことができた。

ガーデンシティへの流動的なゲートウェイ

旅の第一歩である空港での体験は大変なものである。ボアフィルス・アーキテクツは乗客が自然の鎮静効果を享受できるような、穏やかな多感覚的環境の創造に努めた。このプロジェクトは様々な形や密度の鉱物、水、緑豊かな植物を含む屋内景観を旅するようにデザインされている。

前例のない挑戦

COVID-19の期間中、2年間のターミナル閉鎖に直面したシンガポール空港当局は大幅な収入減に直面し、ボアフィルス・アーキテクツとコスト削減策を協議することになった。しかし、クライアントは品質と経験を犠牲にすることなく実施できる、費用対効果の高い代替案だけを求めた。

大地と空の間

ボアフィルス・アーキテクツは出発ホールの複雑な天井構造をデザインし、独自の世界を上手く隠している。パラメトリック・デザインによって開発されたこの天井はアルミニウムのブレードで構成された複雑なバッフル構造になっており、それぞれのフィンがアーチを描きながらねじれる二重曲線の構成になっている。

テクノロジーと自然の対話

自然とテクノロジーが密接に絡み合う2つの空間を創り出すため、ボアフィルス・アーキテクツはマルチメディア・スタジオのMoment Factoryをクリエーションの共同制作に招いた。そのため、旅行者は2つのユニークな没入型インスタレーションを通してシンガポールの植物を体験することができる。

持続可能性と人間性を核に

このプロジェクトはグリーンマーク認証スキームのプラチナム・アワードを受賞。グリーンマーク認証は建物の環境への影響と性能を評価するために設計されたシンガポールのグリーンビルディング評価システムで、新築・既存建物の総合的な環境性能を評価する包括的な枠組みを提供し、持続可能な設計と建設・運営におけるベストプラクティスを推進している。

ボアフィルス・アーキテクツ

1984年ジャクリーンとアンリ・ボワフィスによって設立されたボアフィルス・アーキテクツは、建築とインテリアデザインを専門とする世界的に有名なファミリーファーム。ブレーンストーミングとイノベーションというクリエイティブ・コアを中心にその強みを発揮している。ボイフィルス・ファミリーに加え、多文化・多分野の建築家・インテリアデザイナーからなるチームを擁して、大規模なプロジェクトを完成させている。