すみや亀峰菴のロビー兼ギャラリーに柳幸典の日本初公開の大作《長門》が展示

すみや亀峰菴は、柳幸典がリニューアルを手がけたロビー兼ギャラリーに同氏のパシフィック・シリーズ新作となる戦艦《長門(ながと)》を2021年9月18日より展示する。鋳物で制作された巨大な戦艦長門の立体作品《Nagato 70・I - II /2021》、ビキニ環礁に沈む実物の長門を撮影した写真作品《Nagato Blue - (propeller) /2020》など、今年8月にロサンゼルスのメガ・ギャラリー Blum & Poeでの大規模個展で発表された作品に続く新たなバージョンの日本初公開となる。柳自身が設計・監修したすみや亀峰菴のロビー兼ギャラリーの鉄の空間と、深い海の底に沈んだ近代の鉄の遺構とによる、美術館等では味わえない特別な空間を鑑賞できる。

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Nagato Blue - (propeller) /2020 写真紙、アルミとアクリルマウント、161.4 x 100.0cm (C)YANAGI STUDIO

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エントランスに常設展示される葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を引用した作品 Study for Japanese Art -Hokusai- (国旗や紙幣などの砂絵を蟻に掘り崩させる「アント・ファーム」シリーズの一つとして制作)

すみや亀峰菴のリノベーションについて

設計は柳幸典と彼の建築チーム「YANAGI+ART BASE」が担っており、鉄の素材を大胆に使用するなど柳の作品らしさが存分に感じられる内装となる。リノベーションには千利休が建てた国宝の茶室「待庵」における土壁も再現している左官職人、久住章や陶芸家の石井直人和紙職人ハタノワタルなど、京丹波に在住する日本屈指の職人たちが携わっている。ロビー&ギャラリーに続いて「アートの中に泊まれる」140平米の特別宿泊室の工事は来春頃に完成する予定だ。

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画像エントランスの全体像

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柳の造形的・建築的センスが光るロビー&ギャラリー

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左に見える鉄のトンネルがロビーから客室へと誘う

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茶釜を据えたカウンター越しに見える久住が再現した「待庵」の土壁

すみや亀峰菴概要

所在地京都府亀岡市稗田野町柿花宮ノ奥25番地
電話0771-22-7722
客室数28室(特別宿泊室完成後は26室)