The Penultimate Truth / 最後から2番目の真実

期間限定のスペースとして2022年9月に始まったNACCは、いよいよこの夏、ファイナルを迎える。そのサヨナラ企画展第1段として「サヨナラ! / The Penultimate Truth 最後から2番目の真実」を後藤繁雄(G / P + abp)のキュレーションのもとに2023年6⽉3⽇ (⼟)から6⽉27⽇ (⽊)まで開催する。本展の出展作家は3人。浅野克海、谷村メイチンロマーナ、松井祐生という注目の異能アーティストをキャスティング。「サヨナラ」は「死」や「終結」を連想するかもしれないが、この展覧会に召喚されたアーティスト達は誰よりも「過剰なエネルギー」に満ちている。adf-web-magazine-nihonbashi- nacc-exhibition-vol.7-1

浅野克海はこの世界も人も全てエネルギー体であると捉え、世界の表面を剥ぎ取り、終末に向かうエントロピーに待ったをかける。谷村メイチンロマーナの作品は、彼女が妄想するモンスターたちの闘いの物語。しかし、そこには物語の全体は無く、シーンはフリーズされたままである。松井祐生の「現代写真」には、この世界の終わりを突き抜けた新たな「モラル」、「聖なるもの」が生成される。

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浅野克海

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谷村メイチンロマーナ

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松井祐生(関川卓哉)

キュレーターステートメント

サヨナラ、この世界!サヨナラ、口ばっかりで何も変えられないヒトたち!サヨナラ、フェイクまみれのウソツキ!サヨナラ、戦争の商人たち!サヨナラ、偽善者!サヨナラ、カンちがいのエゴイスト!サヨナラ、支配者とルール!サヨナラ、死や終末という脅迫にも!サヨナラ、謎のウィルスも!そして、日本橋にも、アナーキーにも、文化にも、センターにもサヨナラー!

きっと、人々を分断させて、終わりなくつづく核戦争は始まっているんだろう。僕たちは、何も知らされず、汚染する世界で絶滅に向かって日々過ごしているのだろう。情報はフェイクだ。ディックが小説で繰り返し描いたように、全てはシュミラクラ、まやかしなのだろう。
だけどさあ、それはそうとして、サヨナラにもサヨナラしちゃおうぜ!

参加アーティスト紹介

表現者

上野雄次 / 舘鼻則孝 / とんだ林蘭 / 柳家睦 & THE RATBONES / KUMI / 高村月 / ちびもえこ

出品作家
浅野克海 / Asano Katsumi

1997年愛知県生まれ。名古屋芸術大学卒業後、2023年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究分野修了。浅野は「我々人間も突き詰めれば素粒子の集合体であり、周囲の振動との共鳴により世界は成り立ち、自分もその一部として変化と循環を繰り返している」という思想を突き詰め、そこから生まれた厚い絵の具と波状筆致の集積を、「エネルギーの技法」と名付ける。

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浅野克海

谷村メイチンロマーナ / Romana Machin Tanimura

1998年東京生まれ。東北芸術工科大学洋画コース卒業後、2023年同大修士課程芸術学部複合芸術領域修了。キャラクターを三次元化したソフトビニール人形やフィギュアを用いて絵画の枠を超えた作品を展開する。

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谷村メイチンロマーナ

松井祐生(関川卓哉)

東京出身。駒澤大学法学部を卒業後、2016年写真新世紀受賞を機に独学で映像 / 写真 / ペインティング / 3D制作を始める。近年はVRをもちいたインスタレーション作品などを制作。「変形・変容」をテーマとし、一枚の写真を「人固有の、各人が有している(或いは住んでいる)記憶の壁の一部」と仮定して、写真を撮る行為はその壁を破壊する行為(一枚の写真が象徴化 / 特別化してしまう)と考える。

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松井祐生(関川卓哉)

「日本橋NACC エキシビジョン Vol.7(最終回)」開催概要

会期2023年6⽉3⽇ (⼟)から6⽉27⽇ (⽊)まで
会場 日本橋アナーキー文化センター(NACC)
入場 無料