「東京ビエンナーレ 2023」の会場である大手町・丸の内・有楽町エリアで子どもから大人までの参加型作品

大丸有アートアクション実行委員会が、東京のまちを舞台に2年に1度開催する国際芸術祭「東京ビエンナーレ 2023」の会場の一つである、大手町・丸の内・有楽町エリア(以下 大丸有エリア)で、アートイベント 「大丸有アートアクション」を2023年9月23日より開催中。それにあたり、こどもや学生から大人までの来場者と作り上げる大規模インスタレーション『Slow Art Collective Tokyo』、大手町ファーストスクエアでライブペインティングした屋外壁画　『HYPERNOVA』、大丸有エリアではたらく女性へのインタビューから着想を得て、彼女たちの内省的世界を繊細に描いた『すぐ傍にみつけたあなたの分身』の3プロジェクトの作品を展示している。

Slow Art Collective Tokyo（スリットパーク）

すぐ傍にみつけたあなたの分身（三菱商事ビル）

Slow Art Collective Tokyo（Slow Art Collective）

ロープや紐、竹などのリサイクル素材や自然素材、拾い集めた楽器や音のなる素材など日常にあるような素材を用いて、非日常的な大規模インスタレーションを来場者と共同制作する参加型アートプロジェクト『Slow Art Collective Tokyo』。カラフルな紐やロープで作られたパネルや竹のモチーフ、ソーラーパネルをつけたロボットが奏でる楽器などが高層ビルの「すきま」を彩り、クリエイティブな空間を生み出す。

「みんなと“つくる”という体験を通じて、空間・文化・時間などを共有し、つながる場をつくりたい」という作者の思いから、このエリアで働く人々はもちろん、こどもたちや学生さんなど誰もが気軽に制作に参加できるワークショップも開催する。

スリットパークでの展示と作者の加藤チャコ氏

展示の様子

Slow Art Collective（スロー・アート・コレクティブ）

加藤チャコとディラン・マートレルが主宰するオーストラリアを拠点とする芸術グループ。持続可能性や多文化共生をテーマに、環境負荷の少ない身近な素材を駆使して、観客と共に完成させる市民参加型のアートプロジェクトを展開。タラワラ美術館、ヌーサ美術館、マッククレランド野外彫刻美術館、モーニントン半島美術館、シドニーパワーハウスミュージアム、Mパビリオン、ビクトリア国立美術館、ガートルード・コンテンポラリー、シンガポールのエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ、その他学校、アートフェスティバルなど多岐にわたる場所で活動する。

すぐ傍にみつけたあなたの分身（薄久保香）

三菱商事ビルの展示作品と作者の薄久保香氏

国際ビルの展示作品

多くのビジネスパーソンが働く大丸有エリアに実在する3名の女性へのインタビューから着想を得て、彼女たちの「手」をモチーフに描かれた壁画プロジェクト『すぐ傍にみつけたあなたの分身』。写真、CG、油彩を組み合わせた作者独自の手法を取り入れた作風で、写真とペイント、実在する女性のエピソードとそこから着想したイメージという入れ子状のリアリティを感じられる作品（会場：三菱商事ビル）や、会場の特徴に合わせて作家としては初めて「写真」そのものを描き上げた作品（会場：国際ビル）がある。

薄久保香（うすくぼかおる）

画家。2010年、東京藝術大学大学院美術研究科博士課程美術専攻修了 博士号（油画）取得。東京藝術大学美術学部油画准教授。国内外で個展多数開催。主な参加グループ展や芸術祭に、「ミニマル/ポストミニマル　1970年代以降の絵画と彫刻」（宇都宮美術館、栃木、2013)、「横浜トリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOU」

HYPERNOVA（シャーロット・デ・コック）

大手町の高層ビルの狭間で、ライブペインティングで制作した屋外壁画プロジェクト『HYPERNOVA』。「Schön! Das Leben ist Schön!」（美しい！ 人生は美しい！）をスローガンに掲げ、箱に閉じこもることからの解放を表現します。タイトルの「ハイパーノヴァ」は、人間の創造性のエネルギーと私たちを取り巻く環境との循環、つながりを意味しています。3日間という驚異的なスピードでビルの壁に直接描かれた、高さ13 m、9m×9mのダイナミックな作品。

HYPERNOVA（大手町ファーストスクエア）

Charlotte de Cock（シャーロット・デ・コック）

ベルギーを拠点に活躍する画家であり、旅を続けながらDJなど音楽活動も行うアーティスト。アート、音楽、エンターテインメントの世界の多くが混交・結合し、ポップカルチャー、マーケティング、過剰な刺激や消費によってうごめき溢れかえる塊と化すなか、新鮮な空気を吹き込む存在。

大丸有アートアクション エリアマップ

大丸有アートアクションでは、今後さらに2つのアートプロジェクトが公開される予定。

東京ビエンナーレ2023

東京のまちを舞台に2年に1度開催する国際芸術祭。世界中から幅広い分野のアーティストやクリエイターが集結し、まちや人々の営みに深く入り込み、地域住民の方々と一緒に作り上げる芸術祭として始動。第2回となる東京ビエンナーレ2023のテーマは、「リンケージ　つながりをつくる」。リンケージ（Linkage）とは、関係性＝つながりを意味し、人間関係に限った事柄だけではなく、場所、時間、生物、植物、できごと、モノ、記憶、情報等、あらゆるものが複雑に絡み合い変容しながら存在する世界に、わたしたちが見いだしていく「関係性＝つながり」への希望と決心をあらわしている。詳細は公式サイトにて。