そごう美術館で「篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち」が開催

そごう美術館は、篠田桃紅の画業を辿る「篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち」を2021年4月3日(土)より2021年5月9日(日)まで開催する。本展では、桃紅が日本古典文学と書法を学び出発した初期の作品から、文字を離れて墨の色や線を追求し、独自の抽象表現を確立したニューヨークでの挑戦とその後、そして余分なものを極限まで削ぎ落として新たな形に昇華し、一瞬の「心のかたち」を追求し続けた近年までの変遷を、約80点の作品と資料を通して辿る。

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篠田桃紅は、文字の形にとらわれない水墨抽象画という独自のスタイルを確立し、新しい表現に挑戦し続けてきた。自然や時代の変化の中に漂いうつろう「とどめ得ぬもの」に寄り添い、そこに見出した一筋の「墨いろ」の線は、無限の広がりを感じさせる。

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《君に》 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵 65.0×50.0cm 墨、金泥、和紙

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《秘抄》 1971年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵 167.0×130.2cm 墨、朱、銀泥、銀地、和紙

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風の影》 1994年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵 85.0×180.0cm 墨、朱、金泥、銀泥、銀地、和紙

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《萩原朔太郎 詩》 1950-54年 鍋屋バイテック会社蔵 69.0×173.5cm 墨、和紙

一瞬にして去る風の影、
散る花、木の葉、人の生、
この世の「とどめ得ないもの」への、
私流の惜しみかた、それが私の作です

Fleeting forms, gone in a moment
Flowers, leaves of trees, human lives -scattered
My works reflect the way
I hold dear the transient things of this world

篠田桃紅

篠田桃紅 プロフィール

美術家。1913年中国・大連生まれ。5歳の頃から父に書の手ほどきを受けて墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。戦後、文字を解体し、墨で抽象を描き始める。1956年単身渡米、ニューヨークを拠点に、ボストン、シカゴ、パリなどで個展を開催し、欧米のアートシーンを牽引。1966年来日したザ・ビートルズは宿泊ホテルに飾られていた桃紅作品に感銘を受け、同じ筆を買い求めたという。2005年「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。建築に関わる仕事や東京・増上寺大本堂の襖絵などの大作、装丁、題字、ベストセラーとなった著書など、活動は多岐にわたり、作品は国内外に多数収蔵されている。

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篠田桃紅 ニューヨークにて 1956年 撮影:HAMS NAMUTH

「篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち」概要

会期2021年04月03日(土)〜2021年05月09日(日)
会場そごう美術館
住所神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6階
時間10:00〜20:00(入館は閉館の30分前まで)※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更
休館日会期中無休
入館料一般1,200(1,000)円、大学・高校生1,000(800)円、中学生以下無料
備考事前予約不要