言語とイメージの境界を探るドローイング展が東京で公開
KOTARO NUKAGA(六本木)でメキシコ出身の現代アーティスト ステファン・ブルッゲマンによる個展「Extreme Words (Works on Paper)」が2026年4月18日から5月23日まで開催される。本展は言語とイメージの関係を問い続けてきたブルッゲマンの近作ドローイングシリーズを日本で初めて総合的に紹介する展覧会となる。
言語とイメージを横断するコンセプチュアル・ポップ
1975年メキシコシティ生まれのアーティスト ステファン・ブルッゲマンは、ネオン、ヴィニールレタリング、金箔、スプレーペイントなど多様な素材を横断しながら制作を行う。自身の手法を「コンセプチュアル・ポップ」と位置付け、現代社会におけるテキストの氾濫や意味の空洞化を可視化してきた。これまでにポンピドゥー・センターやメキシコ国立美術館などで作品を発表しており、2026年6月にはイビサ現代美術館での個展も予定されている。
日本初公開となるドローイングシリーズ
本展では、ロンドン、イビサ、メキシコシティのスタジオで制作された近年のドローイング作品を紹介する。A4サイズの紙にグラファイトやオイルスティック、油性マーカーなどで描かれた作品は、単なる下絵ではなく、思考や衝動の痕跡そのものとして提示される。紙という支持体に直接刻まれた線は、制作のプロセスをそのまま可視化する装置として機能する。
描くことと書くことの境界
ブルッゲマンのドローイングでは、線はイメージを描くと同時に文字としても現れる。一方で言葉は反復や重なりによって可読性を失い、やがて視覚的な像へと変化していく。意味を持つはずの言葉が読めなくなる過程において立ち上がるのは、意味そのものではなく、身体の動きや速度、圧力である。「描く」と「書く」という区別が溶け合い、行為そのものが紙面に刻まれる。
身体性を刻むドローイング
本展の作品群には、作家の身体的行為の痕跡が凝縮されている。AIが言語を生成する時代において、ブルッゲマンはあえて手で書く行為に立ち返る。その結果として現れるのは、言葉に宿る重さや揺らぎ、温度といった、人間の身体に由来する要素である。一枚の紙に凝縮されたドローイングは、思考と行為が直接結びついた表現として提示される。
ステファン・ブルッゲマン(Stefan Brüggemann) プロフィール
1975年メキシコ・メキシコシティ生まれ。現代アーティスト。メディアや広告、SNSに溢れるテキストを題材に、言語の矛盾や意味の再構築を試みる。ポスト構造主義や脱構築、ニヒリズムの思想を背景に、「コンセプチュアル・ポップ」と呼ぶ独自の手法を展開する。金箔やネオンなど多様な素材を用い、美術における技法や意味の再定義を行う。ポンピドゥー・センターやメキシコ国立美術館などで展示実績を持つ。
「Extreme Words (Works on Paper)」開催概要
| 会期 | 2026年4月18日から5月23日まで |
| 時間 | 11:30〜18:00(火〜土) |
| 会場 | KOTARO NUKAGA(六本木) |
| URL | https://kotaronukaga.com |

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