フランス人アーティスト シモン・アンタイの回顧展「Folding」
エスパス ルイ・ヴィトン大阪では、第4回目となる展覧会として、フランス人アーティスト シモン・アンタイの回顧展「Folding」を2023年9月28日(木)から2024年2月4日(日)まで開催する。展覧会は、国際規模のプロジェクトを実現し、世界中のより多くの人々にその活動に触れてもらうというフォンダシオン ルイ・ヴィトンのミッションのもと、所蔵のコレクションを東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにて展示する「Hors-les-mur(壁を越えて)」プログラムの一環として行う。
シモン・アンタイは、母国ハンガリーのブダペスト美術学校の学生であった1948年に、フランス パリで学ぶための助成を政府から受ける。イタリアでの滞在を経て、翌年フランスに到着した彼は、さまざまな実験的試みを通して、シエナ派やフィレンツェ派の絵画、そしてさらに抽象度の高い表現について理解を深めることになる。シュルレアリスムの興隆も最適なタイミングで訪れ、彼の鮮烈で自由な発想を解き放ち、コラージュの拡大解釈に繋がる。
抽象の持つ生命力を鮮やかに提示するジャクソン・ポロックの作品との出逢いは、アンタイが図像学的な定則に捉われない絵画表現について知るきっかけとなった。引き算の手法である「スクレイピング」は、これまでにない新たな空間を再度掌握しようという姿勢が象徴されるもので、最初はパタフィジックのフランス人作家 ジャン=ピエール・ブリッセの性的・言語的妄想を援用し、次いで神秘主義的・典礼的著作に触発された。彼の「手法としての折り畳み」は、キャンバスの表面に記号や形が埋もれ、出現するという、まさにその経験から生まれたものである。キャンバスを折り畳んだり、くしゃくしゃにしたりする手法を用いてアンタイは、空白を埋めつつ、開いたときに絵具が付く部分とそうでない部分があるように調整されている。
シモン・アンタイ
1922年にハンガリーのビアで生まれ、2008年にパリで逝去。ブダペスト美術学校で学んだ後、1949年にパリへ移住し、シュルレアリスムの潮流に身を投じる。彼の作品群は、シュルレアリスムからアクションペインティング、そして抽象表現主義と、多様な表現の道を辿っている。
フォンダシオン ルイ・ヴィトン
現代アートとアーティスト、そしてそれらのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関。公益を担うフォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持ってもらることを目指す。カナダ系アメリカ人の建築家フランク・ゲーリーが手掛けたこの壮大な建物は、既に21世紀を代表する建築物と捉えられており、芸術の発展に目を向けたフォンダシオンの独創的な取組みを体現している。
シモン·アンタイの回顧展「Folding」開催概要
日程 | 2023年9月28日(木)から2024年2月4日(日)まで |
時間 | 12:00-20:00 |
会場 | エスパス ルイ・ヴィトン大阪 |
来場 | 予約 |