ゴミであらゆる価値観をくつがえす造形作家による8年ぶりの個展

「見えない力」をテーマに、訪れた土地で収集した廃品やゴミを素材にして立体作品を制作する石田真也。これまでに集めた廃品を使い、作家自身が時間を行き来するように構成する展覧会「​​​​Time Conversation」が、YUGEN Galleryにて2023年4月15日(土)から4月20日(木)まで開催する。アジア、ヨーロッパと国内外での個展やアーティスト・イン・レジデンス参加で精力的に作品を発表してきた石田の8年ぶりの個展となる。adf-web-magazine-time-conversation-1

今回は花壇の柵やパチンコ台の部品、遊具などの廃材を活用し門や穴を象った作品を制作。これらは時間軸と相容れない価値観をくぐり抜ける抜け道として表される。石田は昔よく聴いていた曲が流れると瞬時に当時に戻れるような「時間が飛ぶ」感覚が好きだと話す。廃材でも同じ形状のモノを多用しシンメトリーを意識して作られる石田の作品は一定に刻まれるビート音のような覚醒性があり、鑑賞者は時空を飛び越える感覚が得られる。adf-web-magazine-time-conversation-3adf-web-magazine-time-conversation-4

“あたりまえ”と“ありがたい”は対の意味だけれども相通じている。これまで自分を壊してくれる違う文化を求めていろんな土地を訪れていたのですが、いつもの身の回りに自分の価値観をひっくり返すものは転がっていることに気づいた。捨てられた廃品を拾い、つなげる石田が示すのは「あたりまえ」に潜む「ありがたさ」。このことは自然災害や疫病の流行、紛争などを通して今、突きつけられている。石田によって想像もしなかった変身を遂げる廃品。あたりまえだと思っていた価値観をくつがえす目に見えない力を会場で感じることが出来る。adf-web-magazine-time-conversation-5adf-web-magazine-time-conversation-2

その土地を知るには観光地を巡るよりも廃品を見ることがいちばんの近道。廃品は土地を表し、土地が変われば廃品も変わる。
海岸にある漂着物にはいつまでも残っているものもあれば、いつの間にかどこかに流されてしまうものがある。長い年月をかけて海や空を漂ってきたものと、昨日捨てられたゴミ箱のゴミには全く別の時間や記憶が刻まれていて、それらが一緒になった時に時間達が会話を楽しんでいるような感覚になる

石田真也

石田真也

1984年和歌山生まれ。大阪成蹊大学芸術学部テキスタイル学科卒業。個展は2011年「INAXギャラリー特別展・10days selection 石田真也展—ワンダフルトラッシュ—」(東京・INAXギャラリー)、2012年「Wonderful Trash展」(東京・mograg garage)、2014年「Wonderful Trash in Bangkok」 (タイ・speedygrandma)、2015年「Raven Syndrome」(デンマーク・third space gallery)、「pupa DOME」(京都・momurag)。アーティスト・イン・レジデンスとしては2016年「Lujiazui Green Bank Public Art Festival」(中国・Lujiazui Green Park)など多数。2020年NHK・Eテレ『天才てれびくん』小道具担当。

YUGEN Gallery

ジーンの運営する現代アートギャラリー。オフィスに併設されるオフラインギャラリーとオンラインギャラリーから構成され、現代アートの販売・プロモーションを実施するためのプラットフォームとして機能する。オンラインギャラリーについては、日本語、英語、中国語のマルチリンガルに順次対応予定となっており、国内現代アート作品・作家のプロモーション、作品販売をグローバルに展開する。adf-web-magazine-time-conversation-9

石田真也の個展「Time Conversation」開催概要

会期2023年4月15日(土)から4月20日(木)まで
会場YUGEN Gallery
時間月 ~ 金:14:00 ~ 19:00 / 土・日・祝:13:00 ~ 19:00
休館なし
入館無料