「芸術新潮」5月号は音楽家・坂本龍一を総力特集

新潮社より、坂本龍一を総力特集した『芸術新潮』5月号が2023年4月25日に発売された。創刊73年のアート誌が、音楽家をメインの特集で取り上げるのは、武満徹以来、ふたり目となる。図らずも追悼特集となった本企画には、浅田彰、李禹煥ほか、豪華な顔ぶれが寄稿。表紙を飾るのは、本誌のために大竹伸朗が制作した渾身の「千切り絵」ポートレイト。

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1950年創刊の「芸術新潮」が、これまでに音楽家をメインの特集で取り上げたのは、たった一度だけ。2006年の武満徹氏の特集だった。ふたり目となる音楽家・坂本龍一の特集企画がスタートしたのは、昨年10月頃のこと。編集作業が大詰めを迎えた4月2日、訃報が報じられ、特集は図らずも追悼特集となった。

「聴く」「見る」「読む」の3部構成

本特集は、「聴く」「見る」「読む」の3部構成をとっている。第1章「聴く」では、盟友・浅田彰が、坂本が2017年のソロアルバム『async』で到達した地平をシャープに解析している。坂本の音楽制作に大きなインスピレーションを与えた美術家・李禹煥も登場し、坂本との交流を語る。続いて「見る」では、坂本が近年、数多く手がけてきたインスタレーション・アートに焦点を当てる。坂本と多くの作品でコラボレートしてきた高谷史郎の責任編集で、坂本のアートを総覧する。坂本は、行動するアーティストでもあった。最終章「読む」では、アートジャーナリストの小崎哲哉が、社会に対して、坂本がどのような発言&行動をしてきたのかを紹介する。

画家の大竹伸朗による表紙

画家の大竹伸朗は、「芸術新潮」の表紙のために、坂本の肖像をモティーフにした作品を制作。主に指による「千切り絵」の手法でつくられた、渾身の作品となっている。

唯一無二の表現者であったアーティスト、坂本龍一の活動をしっかりと受け止める特集となっている。

『芸術新潮』2023年5月号 概要

発売日2023年4月25日
造本A4変型 無線とじ
本体定価1500円(税込)
URLhttps://www.shinchosha.co.jp/geishin/