技術と表現の新しい可能性を探求

ライゾマティクスは、中国・深圳のデザイン・ソサエティ主催による中国初の個展「rhizomatiks_multiplex 2023」をSea World Culture and Arts Centerで2023年12月10日から2024年4月7日まで開催する。本展は、2021年東京都現代美術館(MOT)で3ヶ月にわたって開催され、好評を博した同展をベースに中国のために特別にバージョンアップしたものとなる。東京都現代美術館での展示と同様、長谷川祐子がキュレーションを担当する。adf-web-magazine-rhizomatiks-multiplex-2023-3

ライゾマティクスは、2006年の設立以来、人間とテクノロジーの関係を探求するクリエイティブ・チーム。その活動はジャンルを横断し、2010年からは音楽ユニットPerfumeとのコラボレーションを継続的に行ない、真鍋大度は世界的に活躍するアーティストであるGrimesやArca、坂本龍一、狂言師・野村萬斎や研究者らとの作品を制作してきた。表現の新たな可能性を追求し、人工知能やバーチャルテクノロジーによって人間の想像力を積極的に可視化。音楽、ダンス、舞台美術、ビジュアルアートの各分野で最先端のクリエーションを融合させ、国際的な評価を得ている。

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ELEVENPLAY×Rhizomatiks×Kyle McDonald, “discrete figures” Photo byYoshikazu Inoue

活動はメディアアートの領域を超え、データビジュアリゼーションの研究と実践を通し、建築、デザイン、広告、エンターテインメントなどの業界や社会に新たな息吹を吹き込んできた。アーティスト、プログラマー、研究者からなるこのフルスタック集団は、ハードウェア、ソフトウェアの開発から運用に至るまで、アイデアに取り組み、その過程で、ライゾマティクスは既存のアートや文化産業を精力的に再構築した。テクノロジーの発達と共に、知覚“できる”領域と、“できない”領域の境界は曖昧になり、絶えず新しい意味での理解を構築している。科学者や研究者と綿密なリサーチに基づくコラボレーションを行い、神経科学者や天文学者とも共同作業することで、ライゾマティクスは、データビジュアリゼーションを通し、目に見えない何かが手の届くところにあることに気づかせてくれる。

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Rhizomatiks × ELEVENPLAY, “multiplex”展示風景(東京都現代美術館 2021)
photo: Muryo Homma(Rhizomatiks)

中国初となるライゾマティクス展覧会では、仮想空間を現実の体験とシームレスに融合させた大規模な作品を展示。ライゾマティクスの作品と現実の世界をデジタル技術でつなぐことで、展覧会は常に変化する環境とのシンクロを探求する実験室となるだろう。

「rhizomatiks_multiplex 2023」開催概要

会場Sea World Culture and Arts Center
会期2023年12月10日(土) 〜 2024年4月7日(日)
入場一般:98元 / 学生、教員、60歳以上: 49元