見えないものにも関心を寄せる

鈴木雅明個展「Follow the Reflections」がTEZUKAYAMA GALLERYで2024年5月17日（金）から6月15日（土）まで開催される。鈴木は学生時代から数えて20年以上もの間作品の主題として「人工の光」を扱い、光がもたらす情景のみならずノスタルジーといった感情の機微もキャンバスに描き留めるとともに、概念としての光、それを取り巻く環境について考察。都市や郊外の「夜景」を描いたシリーズをはじめ、暗室で限られた光源に照らされた机上の針金や球体などの静物を描いた「机上の光」シリーズを制作している。

都市や郊外の「夜景」を描いたシリーズに見られるように、鈴木の作品は写真で捉えた「人工の光」を起点にしながら、光の反射によって浮かび上がるビルや住宅街の輪郭、木々で覆われた遊歩道といった街並みをデフォルメし、匿名性を高めて描くスタイルが特徴的。目に映る情報をそのまま描くのでは無く、画面上で生まれる光の流れをつぶさに捉え、描き留めようとしている。記憶や気配といった「見えない(あるいは、目では捉えきれない)」ものとの関係性や繋がりに対する関心が窺える。

sensor light 2004 | oil on canvas H1455 × W1120 mm

afterimage of the night 2024 | oil on canvas H1818 × W2273 mm