大規模な個展

現代美術家 松山智一が日本初となる大規模な個展「松山智一展:雪月花のとき」(英語:MATSUYAMA Tomokazu: Fictional Landscape)を、2023年10月27日(金)から2024年3月17日(日)の期間、弘前れんが倉庫美術館(⻘森県弘前市)にて開催する。さらに、このたび2023年11月11日(土)から2024年2月18日(日)の期間、上海・Powerlong Museum(宝龍美術館)での個展「松山智一:雪月花时」の開催が決定した。

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松山智一展:雪月花のとき 展覧会のみどころ/青森・弘前れんが倉庫美術館

松山智一にとって初の大規模個展で近年の代表作を一望の下に紹介

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2009年、ニューヨークのギャラリーで開催された初個展から14年。本展は、年々活動の幅を広げながら精力的に作品発表を続ける松山の作品を紹介する日本初の美術館での個展。総展示面積1,200㎡を超える美術館個展としては、松山にとって初の規模。

出品作品には、ニューヨークのスタジオで大人数のスタッフと共に制作を行ってきた松山が、コロナ禍でスタジオ制作ができなくなった時、遠隔でスタッフたちとの制作を試みた《Cluster 2020》(2020年)や、たった一人で制作した《Broken Train Pick Me》(2020年)など、コロナ禍を通じて松山が創作活動の意味を問い続けた近年の作品群や、ミュージシャンのゆずからの呼びかけで実現したコラボレーションによる《People With People》(2021年)など、松山の活動を代表する作品が含まれており、本展は松山の代表作を一望できる機会となる。

初公開の新作、および日本未公開の作品を多数展示

本展では、初公開の新作9点を含む日本初公開作品23点に加えて、近年の絵画や彫刻、計30件を紹介。洋の東西や時代を超える多種多様なイメージ群のコラージュから生まれた緻密な絵画、パブリック・アートとして屋外設置されることも多いステンレス・スチール製の立体作品といった松山の代表的な作品に加えて、日本では初公開となる極彩色の立体作品2点《Mother Other》《This is What It Feels Like ED.2》(ともに2023年)が出品される。これらは、嵌玉眼(かんぎょくがん)や京都の截金(きりかね)職人による截金文様などの伝統技法と、FRPにポリウレタン塗装という、新旧の彫刻技法が融合されることで生まれた作品。

制作の背景を知ることのできる展示構成

松山の制作は、作家が日常的におこなっている伝統的な美術に関するリサーチと、日常生活の中で収集した大量のイメージ群とが、自在に組み合わされることで生まれる。1枚の絵画作品、1体の彫刻が生まれるには、10〜20にも及ぶような文字通りに古今東西のイメージのレファレンスがあり、それらが松山の手によって組み合わされていく。本展では、普段目にすることのできない、こうした制作の過程で引用された資料やスケッチなどを紹介し、松山の作品世界の一端を解き明かす。ティザー映像はこちらから見ることができる。

松山智一:雪月花时 展覧会のみどころ/上海・ Powerlong Museum(宝龍美術館)

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中国上海に位置するPowerlong Museum(宝龍美術館)は、近年アジアのアートシーンの中心地として発展を遂げる上海において最も注目される美術館の一つ。日本を代表するキュレーター、南條史生氏がキュレーションを手掛ける本展は、2020年に続き松山による中国本土での2回目の大規模個展となる。

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Wall To Wall With You, 2021, 122.0 x 234.0 cm, Acrylic and mixed media on canvas

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A Shimmer Fracture, 2023, 279.4 x 208.0 cm, Acrylic and mixed media on canvas

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She’s On the Other Line, 2023, H770.0 x 534.0 x 550.0 cm, Stainless Steel

広々とした展示スペースを活用し、高さ約8mという松山にとって最大級の彫刻作品≪She's On the Other Line≫や、本展のために制作された数々の新作ペインティングが発表され、近年の代表作の展示と共に松山の作品世界を体系的に鑑賞できる機会となる。

パンデミックからポストパンデミックという世界的な激変期に、人々が社会の変化に対しモーフィング(最適化)し、未来へと希望を繋いでいく様は、松山の制作概念に新たな展開をもたらした。本展では、よりタイムレスで普遍性を帯びた作品として、鑑賞者の前に立ち現れる。

松山智一  / MATSUYAMA Tomokazu

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Akira Yamada

1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。バワリーミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/米国、2019年)や、《花尾》(新宿東口駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけている。近年の主な個展に、「Accountable Nature」龍美術館(上海/中国、2020年|重慶/中国、2021年)、「17 Hours」オーストラリア現代美術館(シドニー/豪州、2015年)などがある。

弘前れんが倉庫美術館

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©︎Naoya Hatakeyama

明治・大正時代に酒造工場として建設された煉瓦造の建物を「記憶の継承」をコンセプトに改修し、2020年に開館した現代美術館。黒いコールタールの展示壁や高さ15mの吹き抜けなど空間の特性を生かした現代アートの展覧会を開催している。館内では奈良美智やジャン=ミシェル・オトニエルをはじめ国内外のアーティストのコレクション作品を展示するほか、ライブラリーや貸出スタジオを完備。また、シードル工房を併設したカフェ、ミュージアムショップが隣接している。

「松山智一展:雪月花のとき」開催概要

会期2023年10月27日(金)〜2024年3月17日(日)
会場弘前れんが倉庫美術館
時間9:00 - 17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日火曜日、年末年始(2023年12月25日(月)〜2024年1月1日(月))※ただし、2024年1月2日(火)、1月3日(水)は開館
料金一般1300円 大学生・専門学校生1000円
主催弘前れんが倉庫美術館
特別協力KOTARO NUKAGA、MATSUYAMA STUDIO
URLhttps://onl.tw/p9euUe3

「松山智一:雪月花时」開催概要

会期2023年11月11日(土)〜2024年2月18日(日)
時間10:00 - 18:00
会場Powerlong Museum(宝龍美術館)
休館日月曜日
URLhttp://www.powerlongmuseum.com/index.html