日本で初めての4名のポルトガル人建築家によるシンポジウム
国際建築シンポジウム「Related Paths – 4 Architects」が大阪・中之島美術館で2025年6月3日(火)に開催される。ポルトガルを代表する建築家4名が来日し、それぞれの作品と哲学を紹介。ポルトガル建築の本質を明らかにすると共に、日本建築との類似点や相違点を見出していく。そして、これらの2つの異なる文化の中の生活様式にどのように適応し、形成していくのか、建築が育む文化・都市・暮らしのあり方を考察する。
本シンポジウムでは「建築の思想の対比と共鳴」をテーマに、軽やかさと流動性を特徴とする都市型の日本建築と記憶と重厚さを内包するポルトガル建築、それぞれの国が育んできた建築文化がどのように異なり、またどのように共鳴し得るのかも探求する。
また関連イベントとして、 2025年大阪万博のポルトガルパビリオンで4人の建築家による濃密な空間構成で訪問者が没入的に建築の思想に触れられる設計のプロジェクション・インスタレーションが2025年5月26日(月)から5月30日(金)まで展開される。
登壇者
リカルド・カルヴァーリョ(Ricardo Carvalho)
1995年にFAで建築学学位、2012年にリスボン大学ISTで博士号を取得。リスボンを拠点とするリカルド・カルヴァーリョ建築事務所&アソシエーツの創設者。リスボン自治大学建築学科の教授兼学科長。BTUコットブス、UNAVナバラ大学、カールトン大学、IUAVヴェネツィアなどで客員教授を歴任。メンドリシオ建築アカデミー、EPFLローザンヌ、ミラノ工科大学などで講演。著書に「A Cidade Social」(2014年)、「Time is the Raw Material」(2017年)、「Work Situation Process」(2021年)、「Todas as Direcções」(2022年)があり、建築について執筆。作品はRIBAロンドン、オゾンギャラリー東京、MAATリスボン、ヴェネツィア建築ビエンナーレなどで展示。2015年と2022年にEUミース・ファン・デル・ローエ賞、2020年にスイス建築賞にノミネート。
イネス・ロボ(Inês Lobo)
エスコラ・スペリオール・デ・ベラス・アルテスで建築を学び、現在リスボン自治大学などで客員教授として建築設計を教えている。1989年にキャリアを始め、2002年にイネス・ロボ建築事務所を設立。ポルトガル国内外でセミナーや会議の講演に定期的に招待される。2016年ヴェネツィア・ビエンナーレ「Reporting from the front」と2018年「Freespace」に参加。2012年ヴェネツィア・ビエンナーレのポルトガル代表や第8回BIAUのポルトガル代表として展覧会のキュレーションも行う。
国際・国内の建築賞の審査員を務め、2012年と2022年のFAD賞、2006年のセシル賞、2021年のBIGMAT賞とAICA賞などが含まれる。1999年に共和国大統領からメリット勲章オフィサー称号、2013年にポルトガル政府から「文化創造女性賞」、2014年に国際ArcVision賞、2017年にAICA賞を受賞。
リカルド・バック・ゴードン(Ricardo Bak Gordon)
リカルド・バック・ゴードンは1967年リスボン生まれ。2009年から2019年までインスティトゥート・スペリオール・テクニコの建築修士課程、2017年から2019年までナバラ大学建築学校で教授を務めた。2015年から2017年までハーバード大学デザイン大学院で客員批評家、メンドリシオ建築アカデミー、IUAVヴェネツィア、バルセロナ高等建築学校などで客員講師を歴任。現在はリスボン自治大学とルーヴァン・カトリック大学で客員教授。
2002年にバック・ゴードン建築事務所を設立。エキスポサラゴサ2008とサンパウロビエンナーレ2007のポルトガルパビリオン、2007年リスボン建築トリエンナーレ第1回展覧会、新国立馬車博物館(リスボン)の共同設計を担当。ポルトガルとスイスでの学校改修プロジェクトが特に注目される。作品はポルトガル、スペイン、イタリア、英国、ドイツ、メキシコ、ブラジル、日本などで展示され、専門誌に掲載。
2011年FAD賞、2012年BIAU賞、2015年CICA BA賞、APCA賞を受賞。2009年、2011年、2022年にミース・ファン・デル・ローエ賞にノミネート。2010年、2012年、2018年のヴェネツィア・ビエンナーレ、2017年シカゴ建築ビエンナーレでポルトガルを代表。作品はシカゴ美術館建築コレクションに収蔵。2019年にAICA賞、2021年にBigMat国際建築賞、2022年にFORMA国家建築賞を受賞。
マヌエル・アイレス・マテウス(Manuel Aires Mateus)
マヌエル・アイレス・マテウスは1963年リスボン生まれ。1986年にリスボン建築学部で学位を取得し、フランシスコ・アイレス・マテウスと協力し、1988年にアイレス・マテウス事務所を設立。1986年からハーバード大学デザイン大学院、コーネル大学、オスロ建築学校、リュブリャナ大学建築学部、ナバラ高等建築学校などで教鞭を執る。1998年からリスボン自治大学、2001年からメンドリシオ建築アカデミーで教授を務める。
事務所の作品はリスボンを拠点に複数国で展開され、A+A建築ガイド、エル・クロッキー、GA、2G、DOMUSなどで出版。ヴェネツィア建築ビエンナーレ(2010、2012、2016、2018、2021)、ラバトビエンナーレ(2018)、トゥールCCCOD展(2015)、ミラノデザインウィーク(2017)、シカゴ建築ビエンナーレ、ソウル建築都市ビエンナーレ(2021)などで展示。
アイレス・マテウス事務所はAIT賞(2012、2020)、ヴァルモール賞(2002、2018)、セシル賞(2020)、FAD賞(2001、2008、2010)、エノール賞(2006)、イベロアメリカ建築ビエンナーレ賞(2001、2012、2019)を受賞。ミース・ファン・デル・ローエ賞にノミネート(2007、2013)、2017年にマヌエルがペソア賞を受賞。
モデレーター
ビセンテ・アレクサンドレ(Alexandre Vicente)
1985年生まれのアレクサンドレ・ビセンテは、Da/UAL - リスボン自治大学で修士号を取得した建築家。現在は日本に住んでおり、芦沢竜一、中山英之、日建設計と一緒に仕事をしてきた。また、京都大学の博士課程候補者。 複数の賞を受賞しており、彼の作品は雑誌やオンライウェブサイトで公開されている。
国際建築シンポジウム「Related Paths – 4 Architects」開催概要
日時 | 2025年6月3日(火) 10:00~16:30 |
会場 | 大阪・中之島美術館ホール |
申込 | 専用サイトから申し込み |