儚く変化する風景を表現する画家、青木愛弓の最新作

西新宿のヒルトン東京地下1階に位置するフジギャラリー新宿で、青木愛弓による「移りゆくもの」展が2024年10月5日から10月27日まで開催される。青木愛弓は、水面のかすかな輝きや季節ごとの空気感など、日々の記憶の中で形を変えていく儚い事物を選び取り、風景として描き出す画家である。

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「秋の記憶」
2024年
パネルにアクリル絵具、⽔彩絵具、染料、楮紙、紙、鉛筆、クレヨン
910×727mm F30

東京芸術大学大学院で壁画の古典技法を学び、その技術をコラージュとアクリル、水彩、鉛筆、クレヨンなどの素材と組み合わせ、重層的な表現を生み出す。美しく繊細でありながら透明感とみずみずしさに満ちている青木の代表作である「水辺の記憶」シリーズでは、何層ものブルーを重ねて水面の揺らぎを表現。今回の展覧会では、秋らしい暖色系の作品も発表され、季節の移ろいに合わせて色を変える木々やその気配を豊かに描き出している。

アーティスト・ステートメント

移りゆくもの

自然に寄り添って制作をしていると“無常”という言葉が頭をよぎります。
全ては一定のままではなく、一切のものは生じたり変化したり滅したりするというもの。
コラージュ技法での記憶のかけらをかき集めて風景画を作り上げるという行為は、
いつか消えてしまう自分自身の記憶を残すための作業のようです。
しかし、それだけではなく表現者として新しいものを創造し、観賞者と共有するためのものとも捉えています。
近年、季節を追う制作をしていますが、今作はそれに“時の流れ”というキーワードをプラスしました。
“時間は皆平等に与えられる”というこの普遍性があるからこそ、日々を大事に一日一日を一生懸命生きようとし、時の重みや喜びを分かち合えるのではないか。限りがあるから人生は儚くも美しいのではないかと思います。

青木 愛弓

青木 愛弓 プロフィール

1982年東京都生まれ。2007年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2009年には同大学院の美術研究科修士課程壁画第二研究領域を修了した。彼女はこれまでフジギャラリー新宿やB-gallery(東京)での個展をはじめ、多数のグループ展にも参加してきた。また、イタリアや中国での展覧会にも出品するなど、国内外でその活動を広げている。彼女の作品は公共施設や個人邸でも多く展示されており、その存在感を放っている。

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「⽔辺の記憶30」
2024 年
パネルにアクリル絵具、⽔彩絵具、染料、楮紙、紙、鉛筆、クレヨン
φ335mm

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「⽔辺の記憶d-03」
2024 年
紙にアクリル絵具、⽔彩絵具、楮紙、紙、鉛筆、クレヨン
375×450mm

青木愛弓「移りゆくもの」展開催概要

期間2024年10月5日(土)から10月27日(日)まで
時間10:00〜18:00休廊日:月曜日・金曜日
会場フジギャラリー新宿
URLhttps://tinyurl.com/2p8xbs6b