“問い”を誘発する装置

クマ財団の活動支援生11名にクマ財団ギャラリーを自由に利用する機会を提供し、自身の創作のプレゼンテーションを行うシリーズ企画「KUMA selection2024」のの第2弾として、クマ財団ギャラリーで2024年5月16日(木)から5月20日(月)まで、芸術家・高畑彩佳による個展「一方で、他方で」が開催される。adf-web-magazine-kuma-foundation-sayaka-takabatake-3

高畑彩佳 個展「一方で、他方で」

2年前に祖母が亡くなり、祖父は今際の際を漂っている。
日がな一日生きることと死ぬことについて考えている。
あらゆる場所で人が生まれ、死んでゆく。
美しく死にたい。体の限界が来るまで生きて、自分の一生は、心は、美しかったのだと、そう思いながら眠りにつきたい。
奪わず、恨まず、助けを乞わず、苦しむことなく死んでゆきたい。
自分の心を律する装置、仄暗い夜の闇の中でもちいさな光を増幅させる装置が欲しい。
誰かにゆるされたい気持ちで生きていたくはない。
ゆるされる必要はない。
全ての人の命が、尊重されることを願って。

高畑 彩佳(Sayaka Takabatake)プロフィール

芸術家。「人は見ている。そこに誰もいなくても。いいことをした時も、悪いことをした時も。無かったことにはならない」 という教えのもとで育つ。誰かが定めた正しさを生きるのではなく自分に問い続けるための装置を作る。無宗教でもないけれど、どこの宗教にも属しきれない自身の不確定な祈りの先に思いを馳せ、光を受けて見え方が変化する素材、技法を用いて特定の信仰の対象である偶像を描かぬ不在のイコンを制作し自覚的に生きるための問いを誘発する。1995年香川県生まれ。京都造形芸術大学大学院修了。京都在住。丸亀市の助成を受け、丸亀市猪熊源一郎現代美術館造形スタジオで初個展「象牙の塔」を開催。

参考作品

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《● ●図屏風》2023

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《金継重図》2023

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『ゆめゆめわすれることなかれ』展示風景 2023

「KUMA selection2024」

クマ財団は25歳以下の学生クリエイターを対象とした「クリエイター奨学金」、奨学金の卒業生を対象とした「活動支援事業」を通して、次世代を担うクリエイターの育成に取り組んでいる。「活動支援事業」は、企画書ベースでの選考を行い、クリエイターのステップアップに繋がる個展開催費や滞在制作費、作品制作費など幅広い活動を支援する助成金。「活動支援事業」の一環として、活動支援生によるシリーズ企画「KUMA selection」を2024年5月から9月にかけて開催する。

今後の出展予定クリエイター

「一方で、他方で」開催概要

作家高畑 彩佳
会期2024年5月16日(木)から5月20日(月)まで
会場クマ財団ギャラリー
時間12:00 - 19:00 ※最終日は17:00まで
料金無料
URLhttps://tinyurl.com/yhze6fef