熱帯植栽とサステナブルな手法で住まいと森をつなぐ

ブラジル・マナウスの住宅街の中でも最も高い場所に位置し、自然保護区に隣接する「ププーニャ・ハウス」は、Hana Eto Gall Landscapeによってランドスケープが設計された住宅プロジェクトである。建築はLaurent Troost Architectures、インテリアはChris Coimbraが担当した。庭を主役とし、自然の植生と建築の境界を曖昧にするというコンセプトのもと、アマゾンの森林と調和する空間が生み出されている。

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Photo credit: Joana França

訪問者は熱帯植物に包まれた小径をたどってアプローチし、大きな葉、豊かな日陰、多様なテクスチャが涼しく湿度の高いマイクロクライメート(微気候)を生み出す。建物の内部にも緑が入り込み、動線に沿って植物が広がることで、日常生活に自然が溶け込む設計となっている。

また、灌漑システムは自動化されており、地形や周辺環境を尊重した実装戦略が採用されている。庭の植栽には、カラテア、アロカシア、ヘリコニア、バナナの木、ヤシ類など、アマゾン原産あるいは気候に適応した植物が選ばれており、住宅がまるで森の上に浮かんでいるかのような佇まいを実現。敷地内の既存植生の一部は保存され、新たに生態学的・美的価値の高い植物が追加されたことで、快適性、プライバシー、生物多様性が強化された。

Hana Eto Gall Landscape

Hana Eto Gall Landscapeは2018年に設立され、ブラジル・マナウスを拠点にランドスケープと建築の融合を目指したプロジェクトを展開している。代表を務めるランドスケープアーキテクト、Hana Eto Gall(ハナ・エト・ガウ)は、アマゾナス連邦大学(UFAM)を卒業後、スペイン・バスク大学で国際的な教育を受けた経験を持つ。同事務所は、住宅、商業施設、ホスピタリティ、都市空間など多様な分野で、持続可能で機能的かつ自立型のランドスケープを提供している。プロジェクトの初期段階では丁寧なヒアリングを行い、在来種の植栽、有機的なライン、自然のテクスチャを用いて、人と都市、住まいと周辺環境、建築と自然をつなぐ空間づくりを目指している。計画から施工、完成後のフォローアップまで一貫して携わる体制を取り、現在では公園や新たな都市区画など、より大規模なプロジェクトにも取り組んでいる。都市空間における生活の質を高め、自然とのつながりを強めるために、ランドスケープデザインの可能性を広げている。