世界各地のシンボルが集結。高層建築の歴史を紐解くビジュアル図鑑『世界の高層建築』が発売
ザック・スコット(Zack Scott)著、大澤昭彦訳の図鑑『世界の高層建築』が、インプレスグループで航空分野などのメディア事業を手掛けるイカロス出版より2023年2月16日に発売された。本書は、建造物でより高く、高みへ到達しようとする人間の努力と挑戦の歴史を、美しいイラストとともに紹介するイギリスの書籍『SCRAPERS』の日本語翻訳版。紀元前のストーンヘンジ、ピラミッド、パルテノン神殿から、エッフェル塔やエンパイア・ステート・ビルを経て、ブルジュ・ハリファ、ロッテ・ワールド・タワーまで、世界各地のシンボルたちが美しいイラストで解説されている。
今や、世界各国で観光地となりつつある、高層建築たちの建築計画や建設時の背景にあった人間的な裏話、進化する建設技術の発展が綴られている。また、普段は横に並ぶことのない高層タワーや電波塔を、ビジュアルで比較することが可能に。内部の構造や技法などもビジュアルでわかりやすく解説され、美しいイラストは建造物ひとつひとつへの興味を掻き立てる。
翻訳は、「なぜ人類は高い建物を作り続けるのか?」というテーマでの研究も行なっている東洋大学理工学部建築学科の大澤昭彦准教授。専門用語には脚注をつけるなど、噛み砕いた言葉で読みやすくなっている。読めば、実物を見に出かけたくなる一冊だ。
著者 ザック・スコット プロフィール
20歳で英国空軍に入隊し、航空機の技術者として数年間従事。軍を離れ、高速鉄道の仕事に携わった後、デザインに生涯の情熱を傾けることになる。2013年にグラフィック・デザインで学位を取得し、複数の企業で働いた後、フリーランスとなる。科学や宇宙への強い関心が、2017年に出版された最初の書籍『Apollo』につながる。本書の原書である2冊目の著書『Scrapers』も、データとグラフィックを融合させることで、視覚的に目を引く読書体験を提供している。2019年発行の『Flight』は日本語版『航空機ビジュアル図鑑』(イカロス出版、2020年)もある。
翻訳 大澤昭彦 プロフィール
東洋大学理工学部建築学科准教授。専門は都市計画学。筑波大学卒業後、東京工業大学大学院修士課程及び博士課程を修了。財団法人土地総合研究所、東京工業大学大学院総合理工学研究科助教、高崎経済大学地域政策学部准教授を経て現職。都市における高層化や高層ビルのあり方に関心を持っており、関連する著書として『高さ制限とまちづくり』(学芸出版社、2014年)、『高層建築物の世界史』(講談社現代新書、2015年)がある。
『世界の高層建築』書籍情報
著者 | ザック・スコット |
翻訳 | 大澤昭彦 |
発行 | イカロス出版 |
発売日 | 2023年2月16日 |
ISBN | 978-4802212502 |
体裁 | B5判 ・ 262ページ |
定価 | 5,500円(税込) |
URL | https://bit.ly/3Ee3WHi |